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日本代表リーチ マイケルキャプテン、本番前は「個人」にフォーカス。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表のキャプテンであるリーチ マイケルが、ワールドカップイヤーとなる来年へのビジョンを明かした。「(2019年初頭は)時間を使って個人にフォーカスして、(以後は)チームとして試合に勝っていくのがベスト」とし、フィジカリティや俊敏性の向上が必要との考えを明かした。

 7月15日、都内ホテルでサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するチーム)の一員として共同取材に応じた。自身にとって加入1年目となったサンウルブズのシーズンを振り返りながら、今後の理想の過ごし方についても語っている。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――3勝13敗に終わったシーズンの収穫は。

「試合に対しての細かい準備がチームの文化になった。外国人が多いなか、細かいことをする努力を、日本代表に近いものにしたい」

――課題は。

「ディフェンス。点数を取られないこと(被トライ数はワーストの99)。特に、アンストラクチャーからのアタック(セットプレー以外を起点とした攻め)へのディフェンス。トップリーグではターンオーバー(攻守逆転)からのアタックをするチームはサントリーとパナソニックくらいですが、海外のチームはそこから(トライを)ものにする」

――来季はスーパーラグビーのシーズン終了後に、ラグビーワールドカップ日本大会があります。スーパーラグビーへの試合出場数などに関し、要望はありますか。

「要望はないです。ただ、まずは個人の能力を上げなくてはいけない。フィジカリティ、スピード、フィットネス、全部です。時間を使って個人にフォーカスして、そのうえで(サンウルブズという)チームとして(スーパーラグビーの)試合をして勝っていくのがベストかな」

――2018年8月下旬から12月中旬いっぱいまで国内のトップリーグを戦います。来季のスーパーラグビーは2月中旬に開幕です。

「トップリーグが終わったらしばらく休む。休んでいない選手もいっぱいいるから、休んで、エネルギーをためて、個人の考えていることをやって、チームとして集合する。(具体的なスケジュールは)まだわからないですけど、スピード、フィットネス、リアクションタイムを上げないといけない」

――フィットネスは2015年イングランド大会時の強みとされていました。いまは落ちていると感じるのですか。

「いや、(落ちているとは)感じない。ただエディージャパンなら走って、走って、走っての繰り返し(エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ時代は連続攻撃を身上とした)。ただジェイミージャパンなら蹴って、追いかけて…というもの(ジェイミー・ジョセフ現ヘッドコーチのもとでは、キック戦略の質にこだわる)。ターンオーバーした瞬間のスピードを一番の武器にしないといけない」

 防御の破綻の背景に、国内リーグと国際舞台とのラグビーの質の違いを挙げるリーチ。日本代表ではビデオ分析や着替えなどを1人だけでおこなわぬようにするなど、一体感を醸成するための取り組みに着手してきた。その延長で、多国籍軍となるサンウルブズでも「細かいことをする努力を、日本代表に近いものにしたい」と話す。

 注目のワールドカップイヤーへの過ごし方については、個人鍛錬の重要性を強調する。大本番が刻一刻と迫り、緊張感が高まる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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