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過去に日本人選手もプレー。元サッカー日本代表MF小林祐希が移籍するソウル・イーランドFCとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
小林祐希(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

サッカー元日本代表でベルギーリーグやカタールリーグで活躍してきた小林祐希が、韓国Kリーグのソウル・イーランドFCに移籍した。

現在、Kリーグ1(1部リーグ)ではMF邦本 宜裕(全北現代)、MF西翼(大邱FC)、、Kリーグ2(2部リーグ)ではMF磐瀬剛(安山グリナース)、FW石田雅俊(大田ハナ・シチズンFC)、MF室伏航(富川FC)、MF田村亮平(安養FC)がプレー。

先月まではMF道渕諒平が忠南牙山(チュンナム・アサン)FCに所属していたが、5月31日付けをもって契約解除となり、Kリーグでプレーする日本人選手は6名になっていたが、小林の来韓で7名になる。

これまでKリーグでは前園真聖、高原直泰、家長昭博、豊田陽平など数多くの日本代表経験者がプレーしてきたが、小林はKリーグにやってくる久しぶりの日本代表経験者となるだけに、注目されるに違いない。

(参考記事: 元日本代表から欧州組、有名タレントもそうだった!! 歴代の日本人Kリーガー通信簿)

まして所属するのはソウル・イーランドFCだ。日本のサッカーファンには馴染みが薄い名かもしれないが、そもそもソウル・イーランドFCは鳴り物入りで誕生したクラブだった。

設立は2014年。イーランドとは韓国最大のライフスタイル&アパレルグループ(年商10兆ウォン=約1000億円)で中国やアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界の主要10カ国にグローバル法人を運営している財閥イーランドを母体企業とするクラブとして立ち上がった。

特定企業がメインスポンサーとなってKリーグに新チームが誕生したのは、1995年の水原三星(スウォン・サムスン)以降、19年ぶりで、ソウルの蚕室(チャムシル)オリンピック・スタジアムをホーム・スタジアムとして活用することもあって設立当時から話題だった。

また、個人的には初代クラブ団長(日本の代表に相当)のキム・テワン氏に話を聞いたところ、ベンチマーク対象としてJリーグも参考にしていると言っていたことが印象的だった。

「MLSのバンクーバーやシアトル・サウンダース、豪州Aリーグのウェスタン・シドニーなども参考にしていますが、アジアの成功モデルであるJリーグ各クラブの運営方式も取り入れるつもりです。特にJの地域密着戦略は積極的に学びたく思います」

特に名前が出ていたのが同じく首都をホームタウンとするFC東京と東京ヴェルディだった。

「2クラブがどのように東京ダービーを盛り上げ、どんな相互協力関係にあるか興味がありますし、注視しています。我々もFCソウルとのダービーマッチこそが、ブランド力を高める早道だと思っていますので」

ただ、イーランドFCはFCソウルが待つ舞台になかなか立てていない。設立から今日までKリーグ2(当時はKリーグ・チャレンジと呼んだ)に甘んじているのだ。

母体企業の大きさゆえに設立時は1年でKリーグ1に昇格できると言われていたが、気が付くと6シーズン、Kリーグ2で燻っている。それがイーランドFCというクラブなのだ。

また、イーランドFCは日本人選手を継続的に獲得してきたクラブでもある。

初年度2015年にはカレン・ロバート、2017年には和田篤紀・和田倫季兄弟、2019年には増田誓志がイーランドFCでプレーした。つまり、小林はイーランドFCのユニホームで袖を通した5人目の日本人選手となるわけだが、小林は活躍できるだろうか。

「日本代表として8試合出場し、1ゴールを記録した小林のポジションは中央MFであり、戦術によっては攻撃的、守備的など両方で活躍できる(中略)。最近の試合結果が良くないソウル・イーランドにとっては中盤での創意性を高めるために、優秀な技量を持つ小林を迎え入れようとしているようだ」とは、サッカー専門誌『ベスト・イレブン』の見立て。

現在はKリーグ2の8位に甘んじているソウル・イーランドFCの起爆剤になれるか。小林祐希のKリーグでの健闘を期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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