今季3度目の先発全員安打!横田が8号を含む4打点《6/21 阪神ファーム・前編》
大変遅くなりましたが、21日に鳴尾浜で行われたウエスタン・広島戦の結果をお伝えします。前日ほどではなかったものの、やはり一塁側のスタンドやバックネット裏には真っ赤なユニホームが多いですね。一昨年まではあまり…いえ、ほとんどなかった光景。そんな中で山本投手が5回まで、グスマン選手に許したソロホームラン以外を完ぺきに抑えました。その後、味方エラー絡みで岩本投手が1点を失っただけです。
打っては、見出しにも書いたように、5回の攻撃で早くも先発全員安打!今季3度目です。そして最後の8回を除き、毎回の計17安打を放ちました。17安打は今季最多タイで、5月26日のソフトバンク戦(鳴尾浜)以来2度目です。さすがに前日とは違ってカープファンの皆さんは少し静かだったんですが、それでも1球に1打に大きな歓声が沸き、代打のコールで起きる割れんばかりの拍手もあって、阪神サイドはちょっと押され気味でしたね。
《ウエスタン公式戦》6月21日
阪神-広島 17回戦 (鳴尾浜)
広島 010 000 010 = 2
阪神 031 014 00x = 9
◆バッテリー
【阪神】○山本(3勝)-岩本-守屋 / 小豆畑
【広島】●小野(1勝3敗)(4回)-佐藤(1回)-池ノ内(1回)-江草(1回)-ザガースキー(1回) / 磯村
◆本塁打 グスマン4号ソロ(山本)、横田8号2ラン(小野)
◆二塁打 北條、横田
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]二:森越 (4-3-1 / 0-1 / 0 / 0) .317
2]右:緒方 (4-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .230
3]遊:北條 (5-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .257
4]左:ペレス (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .143
〃走左:田上 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .231
5]一:中谷 (4-3-0 / 1-1 / 0 / 1) .297
6]中:横田 (5-2-4 / 2-0 / 0 / 0) .207
7]三:陽川 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .200
8]指:西田 (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .192
〃打指:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211
9]捕:小豆畑 (5-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .216
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
山本 6回 69球 (2-4-1 / 1-1 / 1.02) 141
岩本 2回 37球 (2-4-0 / 1-0 / 3.52) 146
守屋 1回 7球 (2-0-0 / 0-0 / 4.05) 143
試合経過
先発の山本は1回、内野ゴロ3つの三者凡退で立ち上がりましたが、2回1死からグスマンに初球の117キロのカーブを打たれ、これがレフトへの第4号ホームランとなり先制を許します。しかしその裏、すぐに反撃。中谷の左前打に続き横田が、やはり広島先発・小野の初球を右中間へ!第8号の2ランで逆転。1死後に西田が左前打して、森越の右前打などで2死一、二塁。さらに暴投で二、三塁となり緒方が中前タイムリー。この回3点を奪いました。
4回にはペレスと中谷が連続で左前打を放ち、暴投で無死二、三塁として横田を迎えますが、ここは豪快なスイングで空振り三振。陽川の三ゴロで三本間に挟まれたペレスがアウトになり2死一、三塁で、西田が左前タイムリー!5回にも広島2人目の佐藤に対して横田は空振り三振でしたが、陽川の中前打と2死後に小豆畑が中前打(これで先発全員安打達成!)、続く森越のこの試合3本目の安打が右前タイムリーとなって、二塁から陽川が生還します。
一方、2回に1点を失ったあと3回、4回、5回が三者凡退で、ビシッと完璧に抑えた山本。5回まで、許したヒット自体がグスマンのソロ1本のみ。なんと50球という球数でした!その間に5対1と逆転してもらい、6回もマウンドへ。先頭の磯原に左前打され、1死後に鈴木将へ四球を与えたものの、久保投手コーチが間を取ったあとは安部と堂林から連続三振を奪って無失点。ここで交代です。
その裏、池ノ内から北條が右中間二塁打、ペレスと中谷は連続四球で無死満塁とし、横田がセンターフェンス直撃のタイムリー二塁打!2人を還します。なおも無死二、三塁で陽川は中犠飛。西田は左飛に倒れ2死となるも、小豆畑が左前タイムリー!3安打で4点を加え、ダメを押しました。7回は江草から、2死後に中谷が3安打目の右前打を放ちますが、ここは得点なし。8回はザガースキーの前に三者凡退。
少し戻って、山本の次に登板した岩本は7回、ロサリオとグスマンをともにカウント2-2から三振に仕留め、代打・岩本はカーブで二ゴロの三者凡退です。ところが8回、先頭の代打・土生を一ゴロエラー(中谷はよく捕って、素早くベースカバーの岩本に送球したけれど逸れて捕れず)で出し、磯原の中前打で土生を三塁へ。センター横田がサードへ送球する間に磯原も二進…。続く庄司にショートへのタイムリー内野安打を許して1点返されました。
かなり不運な失点にめげず、岩本は代打の天谷と安部から連続三振を奪うなどしっかりと抑えています。9回は守屋が約40日ぶりの登板。いきなりロサリオに中前打(自身のすぐ横に来てグラブを出すも捕れず)を浴び、代打の東出にも中前打で無死一、二塁としました。しかし岩本を二ゴロ併殺打に打ち取って、最後は土生を左飛。わずか7球で試合終了です。
5回までわずか50球!
ホームランがあったとはいえ、6回2安打1失点で、4イニングが三者凡退だった山本投手。ところが不満げな表情です。「小豆畑がうまいことリードしてくれて何とかなりましたが、いつもと違ってブルペンで荒れていたので、どうなるかと思っていました。初回、3人でいけたのが乗っていけた要因かもしれません」。また「1回の先頭が(2球目を打たせて)ショートゴロだったんですが、その時に“真っすぐがよくないな”と思った。1回、2回と落ち着くまでがあまりよくなくて。でも回を追うごとによくなっていった」とのことでした。
右打者の外へ落ちるチェンジアップが効果的で、堂林選手はそれで2打席連続三振。「きょうはフォークを使わずにチェンジアップを多く投げました。それはその日のいい方ということで。きょうは小豆畑がチェンジアップを選択してくれたから。また真っすぐが走っていなかったので、フォアボールじゃなく、早いカウントから打ってもらいたいと思っていて、それができたのがよかったです」
6回1死一、二塁の場面でマウンドへ行った久保コーチはどんな言葉を?「ランナーが出てから前へ突っ込みすぎているので、しっかり足を使って投げろと言われました」。考えたら、そこまで1人もランナーを背負っていなかったんですよね!で、アドバイス通りに投げて連続三振。お見事でした。1軍については「呼ばれても中継ぎだと思いますが、その時はしっかりパフォーマンスできるようにしたい」と話しています。
岩本&久々の守屋
岩本投手は2回を投げ、2安打1失点で自責は0だったのですが「いいボールを投げていても抑えないと意味がない。あそこで0に抑えないと。状態は悪くないです。あとは試合の中で、バッターとの駆け引きとかをしっかりやっていかないとダメですね」というコメントでした。
守屋投手は前回、5月10日のオリックス戦(東大阪)で先発。いきなり四球から4連打で3点を失い、1回で降板し手以来の実戦です。「だいぶ緊張しました。足が震えていましたもん。初登板の時より緊張したかも。ちょっと焦りましたね、ランナー2人出して。でも3人目(岩本投手)は狙い通りダブルプレーが取れて、ホッとしました」。なんせ約40日ぶりですからねえ。
その間はどんなことに取り組んでいた?「ワインドアップをやめてセットから投げることが、大きく変わった点です。他にもいろいろ変えているところはあります。一番の目的は、トップの位置を安定させることでした。テイクバックとかも変えていますし」。それはコントロール重視で?「そうですね。先頭バッターの1、2球目にボールから入って…でも前みたいに完全にボールというのは減ったと思います。もう少し修正に時間はかかりますけど、継続してやっていきたい」
ボールがいくようになったのでは?「はい。まだいくと思います。成果は出ていると思う」。そういえば守屋投手、パパになって初めての登板でしたね。「次は三者凡退で!」と宣言しています。
再びトップタイの8号よりも…
ホームランと二塁打で2安打4打点の横田選手は、これでリーグ単独2位の26打点(1位はソフトバンク・猪本選手の28打点)、ホームランも猪本選手に再び並ぶ8本でリーグトップになりました。2回の逆転2ランは「打ったのはチェンジアップ、らしいです」とのこと。らしい(笑)。すぐに入ったと?「思いました」。この2ランと、6回の2点タイムリー二塁打とでは「二塁打の方が自分の中ではよかった」そうです。
ただし「いつもヒット1本で終わっているので。(そのあとの2打席が)三振、三振で…メッチャ集中していました」という理由。とはいえ二塁打の「当たりもよかった」そうです。また掛布DCから「ホームランのあとのチャンスで外野フライでも打てるように」と、3回無死一、三塁での三振について注文があったことを伝え聞くと「そうです。その通りです」とうなずく横田選手。
トップタイになったホームランには「狙って打てるもんじゃないんで、自分のスイングをしていきたい」とコメントしました。なお1試合3打点はもう3試合ありますが、4打点は今季初です。ルーキーイヤーの昨季は、プロ1号が衝撃の満塁弾だった8月3日のオリックス戦(鳴尾浜)で4打数1安打4打点。そして、これまた驚愕の1試合3本の2ランを放った8月31日の中日戦(姫路)が4打数3安打6打点でしたね。
なお、あまりに長くなってしまうため、森越選手、中谷選手、陽川選手、ペレス選手、西田選手のコメントは《後編》に書かせていただきました。こちらからご覧になれます。<西田直斗選手 ―自分で変えた自分を信じて《6/21 阪神ファーム・後編》>