バッハIOC会長「来る来ない問題」 昨秋、韓国との間で起こしていた「大事件」
「韓国では概ねいいイメージですよ。当初は低い関心に終わると思われた平昌五輪を成功に導いたし、女子アイスホッケーの南北統一チーム結成の件も結果的には上手くまとめた。自分のキャリアを積み上げていくことをストレートに頑張る会長。そんな印象です」(韓国のウェブ系スポーツメディア記者)
IOCトーマス・バッハ会長のことだ。それもそのはず、2020年10月26日には韓国政府から「北朝鮮の平昌五輪参加に積極的に協力し、朝鮮半島の平和に貢献した」として「ソウル平和賞」を授与されたのだ。
しかしこの授賞式でとんでもない”大事件”を起こしている。
「ドタキャンですよ。1ヶ月以上前からソウルでの授賞式出席は決まっていたのに結局はオンライン参加になったんです。本人は現地時間23日午後に居住地のあるスイスを出発。経由地のフランスでソウル便に乗り、韓国時間24日15時に入国する予定だったのに…韓国時間の23日21時前に韓国側に通告してきたのです」(同記者)
韓国メディアは「フランスまで行きながら韓国行きのフライトに搭乗せず」と報じた。直前にキャンセルの連絡を入れ、オンライン参加としたのだ。
本人からの理由説明は『新型コロナ感染のリスクを恐れた』。これに対し1ヶ月前から準備を進めた韓国側は激怒だった。スポーツ界からは「スイスからパリまでは行っている。パリ―ソウル間のフライトが欠航になったわけではない。はっきり言って本人が来たくなかったということ」との声が。また韓国訪問時には文在寅大統領との会談も予定されており「一国の元首との面談を軽く考えている。非礼」との意見も出たという。
またこの時からすでに韓国ではこんな意見も。「韓国訪問予定の一行は4人だけだった。同じアジアの韓国に来られないというのなら、来年の東京オリンピックをどうやって開催するというのか?」
もっとも韓国側にも「やましい部分」があった。滞在中に予定された韓国大統領府訪問の参列者からなぜか、韓国内のIOC委員らが排除されたのだ。表向きの理由は「今回は平和賞の授賞式ではあり、五輪関係の行事ではない」。しかしこれについては韓国国内メディアから「従来から噂されてきた大韓体育会(協会)と韓国オリンピック委員会の感情的対立によるものでは?」とのツッコミが入った。これに巻き込まれることをバッハ側が嫌ったとの見方もあった。また大統領との対談などを通じ、韓国側が乗り気の「2032年南北合同五輪」の雰囲気が盛り上がるのを嫌がったとの説も…。
とはいえ、バッハ会長自身からも驚きの発言が飛び出している。後日(10月27日)、韓国の「中央日報」との電話取材に応じた。”ドタキャン”の理由について「韓国側との対立」を否定。こう答えている。
出典:中央日報(韓国語)
重ねて、ご本人の御一行様4人がアジアに移動できないというのに、どうやって各国の選手団や関係者が? いずれにせよ、この一件からは本人のこういった性格はうかがい知れる。「一旦やりたくないと思ったら、徹底的にブッちぎれる」。現にこの約1ヶ月後、11月17日には日本を訪問。国立競技場などを視察しているのだ。