鳴尾浜の今季ラストゲームは引き分け 陽川が9回に同点3ラン《10/2 阪神ファーム》
きのう2日、阪神鳴尾浜球場では今季ラストゲームとなる、オリックスとの練習試合が行われました。1日が中止となったため、この日に中村GMを両チームで追悼。29日の神戸サブ球場と同じように半旗を掲げ、全員で黙祷を捧げました。また『阪神タイガース・ファーム年間最優秀選手』の表彰もあり、投手部門が横山投手、打者部門はペレづ選手が受賞。ペレス選手は1軍にいるので、横山投手が代理で受け取っています。
試合は先制された直後に北條選手の2ランで逆転、また逆転されますが追いつき、終盤に勝ち越し!と思ったらすぐ大逆転…。でも最終回に陽川選手が3ランを放って何とか引き分けに持ち込みました。投手陣は明、暗、明、暗、明という感じでしょうか。“暗”の2人、トラヴィス投手と守屋投手は2死ランナーなしからの失点が悔やまれますね。
《練習試合》10月2日
阪神- オリックス (鳴尾浜)
オリ 001 030 040 = 8
阪神 002 020 103 = 8
※申し合わせにより9回引き分け
◆バッテリー
【阪神】岩崎-トラヴィス-伊藤和-守屋-田面 / 小豆畑
【オリ】前田(3回)-佐藤峻(2回)-佐野(1回)-斎藤綱(1回)-榊原(1回)-中山(1回) / 伏見-原大(8回~)
◆本塁打 北條2ラン(前田)、陽川3ラン(中山)
◆三塁打 吉田雄
◆二塁打 一二三 山本2
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]指:柴田 (1-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃走指:緒方 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:原口 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]二:北條 (5-3-2 / 0-0 / 0 / 0)
3]中:中谷 (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃左:田上 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
4]三:陽川 (2-1-4 / 0-3 / 0 / 0)
5]右中:横田 (5-1-2 / 1-0 / 0 / 0)
6]左右:一二三 (5-1-0 / 1-0 / 0 / 1)
7]捕:小豆畑 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]一:西田 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
9]遊:植田 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責)最速キロ
岩崎 3回 47球 (3-5-0 / 1-0) 144
トラ 2回 51球 (5-0-3 / 3-3) 143
伊藤和 2回 21球 (0-1-0 / 0-0) 136
守屋 1回 47球 (4-0-3 / 4-4) 143
田面 1回 9球 (0-1-0 / 0-0) 143
試合経過
岩崎は1回1死から縞田に左前打されますが、そこから2回にかけて5者連続三振!ところが3回は先頭の8番・山本に左翼線二塁打を許し、続く武田は投ゴロを弾いて後逸する自身のエラー、さらに小田の打球も岩崎を強襲してセカンド内野安打となり無死満塁。1死後に3番・駿太の左犠飛で先に1点を失いました。するとその裏、1死後に死球の柴田を一塁に置いて北條がレフトへ2ラン!一気に逆転です。
2人目のトラヴィスは4回を3人で片づけましたが、5回は先頭の山本に左中間フェンス直撃の二塁打を浴び、武田の右前タイムリーで同点。次の小田を遊ゴロ併殺打で2死、ランナーもなくなったのに縞田と駿太には連続四球…。そこから奥浪の左前タイムリー、代打・鉄平にも右前タイムリーと計3失点。4対2となりました。
しかし、その裏にまた打線が反撃。2死から中谷と陽川が四球を選び、さらに暴投で2死二、三塁として横田が中前に2点タイムリー。これで同点!6回は一二三の左中間二塁打などで1死三塁とし、西田の左飛で一二三はホームを狙うもタッチアウト。7回は植田の四球、代打・原口と北條の左前打で無死満塁の大チャンスを迎え、中谷の三ゴロでホームを狙った植田がアウトとなったあと陽川の四球で押し出し。横田の中飛は浅くてタッチアップできず、一二三は遊ゴロで攻撃終了。結局、1点勝ち越しただけです。
投手陣は3人目の伊藤和が6回と7回を三者凡退で片づけ、8回は守屋が登板。ストライクは入らなかったものの簡単に2死を取って、迎えた代打・原大に右前打を許したところから一気に崩れます。次の堤は四球で2死一、二塁となり代打・吉田雄に中越えの2点タイムリー二塁打。小田にも四球を与え、縞田の左前タイムリー。駿太にも右前タイムリー。バックホームしたライト・一二三の送球エラーで駿太も二塁へ進め、奥浪への四球で満塁としたピンチは何とかしのいだ守屋ですが、打者10人で4安打3四球で4失点。
8対5とリードされて、8回裏は榊原の前にあっさりと三者凡退。でもこの日はただでは終わらない阪神打線です。9回を田面が9球で三者凡退に斬って取ると、その裏にオリックス6人目の中山から北條と田上が連打して1死一、二塁とチャンスを作り、陽川が2球目をセンターへ!これが同点3ランとなります。一気にサヨナラ、と意気込んだものの横田と一二三は連続三振。8対8の引き分けでした。
“明”だった3投手のコメント
岩崎投手は3回を投げて3安打1失点、自責点はありません。5者連続奪三振に加え、無四球でした。なかなか球がいっていたのでは?「調子はよかったです」。3回の二塁打は「高めを狙ってはいたんですけど、ちょっとスライダーが真ん中にいってしまった」、そのあとの自身のエラーについて「それは反省です」という答え。クライマックスシリーズを目指す1軍、岩崎投手もそこに参戦したいところで「チャンスがあれば頑張ります!」と話しています。
6回から2イニングを10球と11球でパーフェクトの伊藤和投手は「悪くはないです」というものの「指のかかりがまだまですけど」と、好感触とまでいかない様子です。。7回に先頭の縞田選手から奪った見逃し三振は125キロの変化球。「真ん中へんにいったスライダーでした。内から真ん中へ。きょうのは、たまたまです。狙って取れるようにしたい。それに、たまたま6人で終わったという感じなので」
9月29日のオリックス練習試合(神戸サブ)が約2ヶ月ぶりの登板で、その間は左のわき腹を痛めて戦列から離れていた伊藤和投手。「毎年ケガしてるので、しっかりやらないと。そのためにトレーニングもやっているんですけど、なぜかまた…」と沈痛な面持ち。でも秋から来年に向け、改めて「しっかりやります!力強いボールを投げられるように」と顔を上げました。
田面投手は前回、9月30日のオリックス練習試合(神戸サブ)でピッチャー強襲の内野安打2本を含む3安打で満塁としながら無失点でしたが、きのうは9回を三者凡退!最後は堤選手から137キロのフォークで空振り三振を奪って締めています。「きょうはテンポよく投げられたのでよかったです。フォアボールもなかったし」。そのテンポのおかげで同点3ランが出たのかも。「そう思ってもらえたらいいですね」
同点弾・陽川&先制弾・北條
陽川選手は1回のチャンスに併殺打だったものの、そこから死球、四球、四球で、最後が9回の同点3ラン!「とりあえず甘い球が来たら、追い込まれるまでは思いきっていこうと思っていた」というように、129キロのボールを見送ったあとの2球目、139キロの真っすぐを打っています。少し内寄りの球だったとか。古屋監督は「ああいうところでロングが打てるのがいいね」と目を細めました。
3回に一時は逆転となる2ランを放った北條選手。カウント2-2からの5球目、真っすぐを打ったもので「インコースよりの高め。引っかけずに打てました。もし追い込まれていなかったら、開いて打ち損じていたかもしれません」と言っています。その後も7回に左前打、9回は右前打と3安打した中で「最後のライト前がよかった。ライトに、ああいう打球が打てるようにしたい。それが打てたらもっと打率が上がったかなと思う」とのこと。
「追い込まれてから外角を引っかけずにライトへ打つ。それが課題のひとつです。最初から右を狙ってではないけど、ああいうヒットが多くなれば。ヘッドが先にかぶったりしたら、セカンドゴロになって打率も下がる。あれを強引にいかずに打てればいいなと。きょうみたいな形で打てたら最高」。そのあと再度ホームランの話になり「公式戦やったら最高です!」と“最高”を連発。それを来年は公式戦で、しかも1軍の試合で見せてくれるでしょう。きっと。