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「社会人になるのが怖い」のは当たり前!新生活への不安が消える5つの考え方

太田章代新人育成トレーナー

新生活の季節、「この春から新社会人になる」という方もいらっしゃると思います。社会という未知の世界に飛び込むことで、生活の変化に対して不安を抱えている人もいることでしょう。

せっかくの新生活を希望に胸を膨らませて始めるためにも、今のうちに不安を少しでも解消しておきたいものです。

そこで、今回は「社会人になるのが怖い」という気持ちを和らげて、元気に社会人生活を始めるための方法をご紹介します。

「不安を持つのは悪いことではない」と自分を認める

さて、質問です。

あなたは小学校に入る時、「これからどうなるのだろう」と心配していたでしょうか?

「そんな昔のことは覚えていない…」という人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は楽しみだけで不安は抱かなかったことでしょう。なぜでしょう?それは、子どもの頃は「何も考えていなかったから」です。

つまり、今社会人生活を目の前にして感じている不安は、「新しい環境にチャレンジしようとしている」証拠です。「正常な不安」と言ってもいいでしょう。

「正常な不安」は、危機に備えて問題を解決するために必要です。不安を持つのは悪いことではありません。あなたが問題に対して真摯に対応しようとしているからこそ、不安なのだ、とも言えますね。

不安の内容を細分化して書き出し、頭の中を整理する

それでは、今感じている不安にどのように対処したらいいのでしょうか。

まずは、「不安」の内容を細分化して書き出してみましょう。以下のようなものが挙がるのではないでしょうか。

●仕事を理解してこなすことができるか


●上司や先輩、お客様とよい関係が築けるか


●失敗に直面しても乗り越えられるだろうか


●仕事の休みはしっかり取ることができるか

●就業時間に間に合うように朝起きられるか


漠然とした不安を抱えているよりも、具体的に不安点を書き出してみると、すっきりと頭の中を整理することができます。書き出す行為そのものがストレス解消になりますし、不安点の一つひとつに対して対応を練ることも可能です。

僧侶で作庭家でもある枡野俊明さんの書いた『心配事の9割は起こらない』(三笠書房)という本があります。この本によれば、多くの悩みの正体は「妄想」なのだそうです。悩みのほとんどは実態のないものであり、心配事とはまだ起こっていない状況に対する取り越し苦労にしか過ぎないのです。

どちらにしても同じ「妄想」であるなら、「上司や先輩とうまくやっていけないかもしれない」と妄想して不安を増大させるよりも、「上司や先輩とうまくやっていくためにどうしようかな」と妄想して、方法を考えてみませんか。

「上司や先輩も最初は新人だったのだ」と理解する

なぜ社会人になることを不安に思うのでしょうか。その理由のひとつは、「今まで知らなかった世界へ足を踏み入れるから」です。

あなたにとって社会人の世界は初めての場所であり、「自分ひとりだけが初心者」と心細く感じるかもしれません。

しかし、学生時代の部活を思い出してみてください。入部した時は、誰もが未経験のはずです。たとえば、バスケットボール部なら、最初はパスをするにも苦労していたのに、練習をするうちにパスも、ドリブルも、シュートも上手になっていったことでしょう。

仕事の世界も同様です。今は立派に見える上司や先輩、社長にしても、誰にでも新人の頃がありました。失敗を重ね、経験を積んで、現在のように仕事ができるようになったのです。今だけを見ると、何の苦もなく仕事をこなしているように見えるかもしれませんが、誰もが壁を乗り越えて現在に至っています。

「社会人の世界」を初めて経験したのは、あなただけではありません。「自分ひとりじゃない」と思えると、気が楽になりませんか。

今後社会人生活は、40年続きます。そのうち、「新人」と呼ばれるのは、ほんの入社後1年ほどです。「自分は新人だから何もできないのでは」と不安になるよりも、「新人だから許してもらえることもある」と捉えて、今を楽しんでくださいね。

「上司や先輩も家族と同じ普通の人間」と考えてみる

社会人になると、周りの人たちは自分より年上の人ばかりです。上手にコミュニケーションが取れるのか、不安になってしまうこともあるでしょう。また、実際に入社すると、全員が仕事をバリバリこなしているように見えて、距離を感じてしまうかもしれませんね。

でも、そんな時は考えてみてください。仕事をしている、あなたのお父さんやお母さんは、家ではどんな感じでしょうか?家でもキビキビ動く、かっこいいところを見せていますか。想像ですが、家では職場とは違う顔を持っているはずです。

あなたの上司になる人も、きっと同じです。あなたのお父さんやお母さんと同じく、普通の人間です。ずっと年上の上司には話しかけるのが難しいかもしれませんが、家族のことを思い出し、勇気を出して話しかけてみましょう。きっと上司は、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿を評価し、かわいがってくれることでしょう。

具体的な不安を解消するために行動する

別の側面から考えてみましょう。精神科医の樺沢紫苑さんによると、不安とは、脳が出している「すぐに動かないとまずい!」というシグナルだそうです。つまり、不安をなくすために必要なことは、不安の原因を取り除くためにジッと考えるのではなく、とにかく動くことです。不安とは、行動を起こすためのエネルギーでもあるのですね。

さて、では「新社会人への不安」がある場合、どのような行動で不安の原因を取り除けばいいのでしょうか。

●仕事を理解してこなすことができるか

→電話応対や名刺交換の方法など、ビジネスマナーについて学ぶ。また、自分のする仕事について学べる内容があれば、予習をしておく

●上司や先輩とよい関係が築けるか

→インターネットから情報を探したり、セミナーに参加するなど、コミュニケーションについて学んでみる

●就業時間に間に合うように朝起きられるか

→毎朝、就業に間に合う時間に起きる練習をする

そのほか、不安への対処法としては「体を動かすこと」も良いそうです。何かに没頭することは不安を忘れさせてくれますし、体を動かせば脳内が沈静化し、リラックスできるそうです。不安があって、居ても立ってもいられないなら、思いっきり体を動かしてストレスを解消しましょう。

まとめ


「社会人になるのが怖い」ときは、次のことを試してみましょう。

●「不安を持つのは悪いことではない」と自分を認める

●不安の内容を細分化して書き出し、頭の中を整理する

●「上司や先輩も最初は新人だったのだ」と理解する

●「上司や先輩も家族と同じ普通の人間」と考えてみる

●具体的な不安を解消するために行動する

上記の方法で、不安が解消されれば幸いです。不安を少しでもなくし、気持ちよく社会人生活を始めましょう。応援しています!

アイキャリア株式会社

研修トレーナー太田 章代

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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』

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新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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