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日米に「三冠王」が誕生!? 日本プロ野球は村上宗隆、メジャーリーグはこの選手が…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)Aug 25,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、打率.326、45本塁打、111打点を記録している。いずれも、セ・リーグのトップだ。打率は佐野恵太(横浜DeNAベイスターズ)と3厘差。ホームランは岡本和真(読売ジャイアンツ)と丸佳浩(読売)より21本多く、打点は大山悠輔(阪神タイガース)に37打点差をつけている。

 一方、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)は、打率.339、33本塁打、105打点を記録している。8月25日の試合を終え、打率と打点はナ・リーグ1位、ホームランはトップのカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)と1本差の2位に位置している。打率と打点でゴールドシュミットに次ぐのは、打率.326のフレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)と102打点のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)だ。これを書いている時点で、フィリーズとメッツは8月25日の試合がまだ始まっておらず、ドジャースはこの日の試合がない。

 3部門のうち、前半戦を終えてゴールドシュミットがトップに立っていたのは、打率だけだった。20本塁打は6位タイ、70打点は2位。ホームランのトップにはシュワーバー、打点のトップにはアロンゾがいて、ゴールドシュミットは、9本差と8打点差をつけられていた。そこから、後半戦はここまで、28試合に出場し、打率.364、13本塁打、35打点。8月25日の2本塁打と5打点により、シュワーバーに迫り、アロンゾを追い越した。

 村上が三冠王になれば、日本プロ野球では2004年の松中信彦以来、延べ12人目となる。ゴールドシュミットが三冠王なら、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)では2012年のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)以来、延べ17人目だ。

 同じシーズンに、日本プロ野球とメジャーリーグのどちらにも三冠王が誕生したことは、これまでに一度もない。

 ゴールドシュミットは、34歳の一塁手だ。来月、35歳の誕生日を迎える。打撃タイトルは、本塁打王と打点王が1度ずつ。アリゾナ・ダイヤモンドバックス時代の2013年に、36本塁打と125打点を記録し、二冠王となっている(ホームランはペドロ・アルバレスとタイ)。この年のナ・リーグの首位打者は、打率.331のマイケル・カダイヤーが獲得した。打率.302のゴールドシュミットは、11位だった。

 なお、村上の三冠王については、こちらで書いた。

「「僅差で首位打者を獲得した三冠王」と「僅差で三冠王を阻んだ首位打者」。今年のセ・リーグは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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