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元町高架下が凄いことに!モトコーがどう生まれ変わるかの分かれ道、パーティーは残り3回【神戸市】

Hinata J.Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

元町高架下、「モトコー」の愛称で親しまれてきたJRの高架下が大きな変化の時期を迎えています。戦前辺りから闇市のあったこの近辺は、とても栄えていた歴史があります。

今はもう古くて老朽化したその一帯をどうするべきか…そこでJR西日本とのやり取りの中で、立ち上がった人たちがいます。全国で街づくりをプロデュースしている入川ひでとさん、そして兵庫出身のアーティスト岡本 亮さん。

「モトコー6」東端3分の1ほどの場所。彼らがここをアートスペースにして想いを発信することとなり「モトコーミュージアム」を企画。この日はオープニングで、高架下にはお洒落をした若者もいればワイシャツ姿のJR職員さんなども入り混じった面白い空間が現れていました。

さてさて、まずは見た目にもインパクト大のエントランスからご紹介しましょう。ミュージアムに入る前に、モトコーを象徴するかのようなゲートがあります。長年、通路を照らし現役で活躍していた看板たちが個性豊かにお出迎え。

その下には現在、市内で営業中のお店などによる飲食出店がありました。お洒落な雰囲気、そして美味しそうです。今後も、パーティー開催時にはこうやって出店や音楽なども楽しめるのだとか(詳細は後ほど)。さっそく中へGO!

通路の突き当たりにはDJブースがありました。外から聞こえていたのはこの音楽だったんですね。お酒を片手に踊る若者も。細い通路でのDJは独特の雰囲気です。

「ニューヨークやポートランドなども、元々は廃墟だった場所からアーティストが作り出した街です」と語るのは、アーティストでディレクターの岡本 亮さん。

「新しいカルチャーを始めるにしても、昔の思い出を引き継ぎながら未来へ向かいたい。アーティストが(過去からの物と関わりながら)面白いことをクリエイティブにやることで、人が興味を持ったり、自分たちの街を自分たちでつくるという意識が出てくるのでは」

「観光という視点で考えた時、自分たちが海外に行ったらまず向かうのは地元の蚤の市。ご当地にしかないお店や食べ物屋さん。古くからお店を続けてきた人たちをリスペクトする理由は、そこに時間や手間がしっかりとかけれられてきているから」

そういった部分が大切なのだと気付いている若者たちは、そこに新たな時代のセンスを加えて、過去から繋いでいこうとしているのだと言います。

「今日参加している飲食店も、ものすごく感度が高くて。時間、手間、センス。この3つが重ならないとダメだと思います。そんなものづくりがこれからの神戸を住みやすく、そして観光地にしていくのではないかと」

「例えば、湊河湯。一度潰れてしまった銭湯、それを知ったよそから来た女性が潰す訳にはいかないと奮い立ち、応援する若い子たちが出資し、銭湯を復活させたんですね。全然違う街から来た人がやるんですよ。そうやって、古い良かったものは絶対に未来に繋ぐ」

どんなに科学が発展しても、なくしてはいけないものは手間暇かけた食べ物やコミュニティー、そういう場の開発の仕方が未来に繋がることなのだと、岡本さんは語ります。

エントランス右隣の「ヒストリールーム」には、ここが闇市だった頃の写真や、老祥記やファミリアなどの古い時代の建物の姿もありました。アーカイブを楽しめるこの部屋には、近所の人がひょっこりやって来て、昔の話を聞かせてくれる時もあるのだとか。

その左隣にはミュージアムショップがあり、ここに参加している数名のアーティストのグッズなども販売しています。写真家、イラストレーター 、デザイナー、大工さん…この街の未来に必要なクリエイターが集結しているというチーム、猛暑の中で力を合わせて現場で頑張ってきた面々です。

モトコー開発に沢山の人が思い悩んで来たのは、共にこの場所を愛するがゆえのことだと思います。これは郷愁的なパフォーマンスではなく、未来を作っていくプロセス。これからどんな街を作りたいのかを問いかける重要なメッセージとしてこの場が用意されたということが、今日ここに来て分かりました。

「ただ、コンクリート割れや雨漏りもある為、ミュージアムも来年頭ぐらいまでで取り壊しになります。新しいものをつくるにあたって、人の営みや手触りがちゃんと世の中に提供できるように、次のフェーズも作りあげていくというのが自分たちの考え方です」と、岡本さん。

残り少ない時間で土日のミュージアムオープンや、三度のパーティーなども企画しているということ。ぜひこの場に立って、遊んで、話して、ここが未来にどうなると嬉しいのかをイメージしてみてはいかがでしょうか。

モトコーミュージアム

モトコーミュージアムHP (外部リンク)
開館日時 13:00-17:00 「土日祝のみ」開館
イベント情報 公式インスタグラム (外部リンク)
次回のパーティー:10月8日 (インスタから詳細発表予定)
Google マップ

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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