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台風15号の勢力予想を難しくしている要因とは?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風15号の雲の様子(ウェザーマップ)

台風のまま九州南部付近へ到達か

台風15号の予報円(ウェザーマップ)
台風15号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風15号は小笠原の南から日本の南海上へ入り、北西方向へ進んでいます。

きょう午前9時現在の勢力は、998hPa、最大瞬間風速は35メートルで、昨日より幾分発達している状況です。

昨日発生した当初は火曜日には西日本の南海上で衰弱し、熱帯低気圧に変わる予想となっていましたが、最新の計算では衰弱の度合いが小さくなり、台風の勢力を保ったまま、火曜日の夕方~夜にかけて種子島や屋久島付近を西進する見込みで、北寄りを進むと鹿児島県本土をかすめるように通る可能性もありそうです。

この台風は、強くはなく、スケールも小さい、とてもコンパクトな形をしていますが、されど台風です。

台風自体の近付く九州南部では大雨や強風、高波などに注意・警戒が必要です。

台風を発達させない乾燥域へ進入中

雲の比較(ウェザーマップ)
雲の比較(ウェザーマップ)

台風が日本の南海上で衰弱傾向となる予想となっているのは、上空の乾燥域の存在が挙げられます。

昨日(12日)ときょう(13日)の水蒸気画像の様子をみると、台風の行く手に青い領域が広がっていますが、これが水蒸気の少ない乾燥域です。

このような場所に突入すると台風を弱める方向に働くため、今回の台風はあまり発達することなく、むしろ徐々に弱まりながら日本の南を進むと考えられているのです。

さらに台風のシステムが小さい上、台風が比較的、速度を上げることも発達が抑えられる要因となりそうです。

一方で、日本の南海上は台風を発達させる高い海水温の領域が広がっています。

台風を発達させる海水温の高さ

8月11日の海水温(気象庁)
8月11日の海水温(気象庁)

台風15号が進む日本の南海上は海水温が29℃以上あり、四国沖には30℃以上の場所もみられます。

台風は約27℃以上あれば発生、発達し、特に30℃前後もある場所では顕著に発達することも珍しくありません。

今回は台風の発達を抑止しようとする上空の乾燥域や上空の風の流れに対抗し、台風を発達させようとする高い海水温のさじ加減次第で、台風の強弱が微妙に変化することとなりそうです。

今後も最新情報にご注意下さい。

きょう午前9時、南シナ海で台風16号が発生しました。この台風は当面、日本列島への影響はないと思われます。

また今夜遅く~あす明け方までに日付変更線を西経域から東経域へ越境するハリケーンが台風17号になるものと思われます。

平成30年7月豪雨による大雨被害に対して、緊急災害支援募金(Yahoo!基金)を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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