Yahoo!ニュース

日本のはるか南で新たな熱帯擾乱が発生か?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

気象庁の予想では低圧部が発生へ

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみると、赤い丸の中、日本のはるか南海上で、活発な積乱雲の雲域が発生しています。気象庁による予想天気図では、あす4日(月)午後9時までに、このあたりで新たな低圧部が発生する予想です。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は見られるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、低圧部の中心付近が解析されるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。

欧州モデルでは発達する熱帯擾乱に

ECMWFの予想(weather-models.infoのコンテンツを、事前許可を得て転載)
ECMWFの予想(weather-models.infoのコンテンツを、事前許可を得て転載)

参考までに、上図は最新の欧州(ECMWF)モデルですが、新たに発生が予想される低圧部は、気象庁の予想より発達が早く、熱帯低気圧あるいは台風と思われるような勢力で北上し、6日(水)午前9時には、沖縄の南、北緯20度付近まで到達する予想です。

この他の諸外国や日本のモデルを比較すると、日本のモデルは比較的、低圧部の発達を抑えるような計算となっている一方、諸外国のモデルでは、その多くが台風と思われるような熱帯擾乱に発達しつつ、フィリピンの東を北上する計算となっています。今後の予想に注目です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事