ジャーニーマンの旅は終わらず。解雇の翌々日に別の球団へ。新たな15球団目ではないけれど
稀代のジャーニーマン、エドウィン・ジャクソンの旅は、まだ終わらない。
7月21日、ジャクソンは、デトロイト・タイガースとマイナーリーグ契約を交わした。トロント・ブルージェイズに解雇されてから、わずか2日後のことだった。
その解雇と、これまでジャクソンがプレーしてきた14球団については、先日、「ジャーニーマンの旅は、ここで終わるのか。14球団目のブルージェイズから解雇されて…」で書いた。タイガースでは、2009年に投げているので、今回、メジャーリーグで登板しても、15球団目には数えない。2012年に続き、2017年の途中からワシントン・ナショナルズで投げた時と、同じ考え方だ。
10年前、ジャクソンはタイガースで33試合に先発して214.0イニングを投げ、防御率3.62を記録した。この先発登板とイニングは、17シーズンのなかで最も多く、防御率も100イニング以上の8シーズン中ベストだ。オールスター・ゲームに選ばれたのも、この年しかない。ジャクソンは、ジャスティン・バーランダー(現ヒューストン・アストロズ)とリック・ポーセロ(現ボストン・レッドソックス)とともに、三本柱を形成した。ちなみに、彼らに次ぐ4番手には、この翌年に「幻の完全試合」を演じるアーマンド・ガララーガがいた。
さすがに、タイガースは、当時の投球をジャクソンに求めているわけではない。契約したのは、残りシーズンのイニングを埋めるための投手としてだ。
再建の最中にあって、借金35を抱えるタイガースは、7月末までにエースのマシュー・ボイドを放出する可能性が高い。その上、今シーズンからローテーション入りしたスペンサー・ターンブルは、7月半ばに背中を痛めた。復帰時期は確定しておらず、タイガースとしても急がせるつもりはないだろう。ターンブルは、メジャーリーグ2年目の26歳だ。AAにはプロスペクトの2投手、ケーシー・マイスとマット・マニングがいるが、ここでメジャーデビューさせ、FAになるまで保有できる期間を「消費」するのはもったいない。
なお、10年前にジャクソンとチームメイトだった選手のうち、今もタイガースでプレーしているのはミゲル・カブレラのみだが、ユーティリティのラモン・サンティアゴは、一塁コーチを務めている。また、ロイド・マクレンドンは、間にシアトル・マリナーズの監督とタイガース傘下のAAA監督を挟み、当時も今も打撃コーチとして、タイガースのユニフォームを着ている。