【JAZZ】野瀬栄進ソロ・ピアノ・コンサート@タカギクラヴィア松濤サロン
“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、ニューヨークを拠点に活動を続けるピアニスト、野瀬栄進のソロ・コンサート。
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渡米して20年超、数々のレジェンドたちとの共演などを含めて、ジャズ・ピアニストとしての瞬発力に磨きをかけ続けているのが野瀬栄進だ。
折々に帰国してその成果を披露する彼は、その本領を発揮するソロのほか、近年では交響楽団との共演、ベースの井上陽介とドラムの小山太郎による“J-Yorkers”トリオ、パーカッションの武石聡とのデュオ、さらには映画音楽など、そのインプロヴィゼーショナルな才能をフルに発揮して、最先端の即興芸術を核とした軌跡を描いている。
ピアノとミュージシャンの対話を傍観するソロの楽しみ
基本的に野瀬栄進のピアノスタイルは即興で構成される。
即興のジャズ・ピアノは、浮かんだ短いフレーズをもとに展開したり、その場の状況や音ではないモチーフを取り入れて組み直したりと、人それぞれの方法論をもっている。
彼の場合は、自分の頭のなかで鳴っている音と対話したり、出した音に自らがどう反応するのかを楽しんでいるようなフシがある。
天然系のインプロヴァイザーといったらいいのだろうか。
そのようなタイプのインプロヴァイザーは、環境に影響されやすい。
このタカギクラヴィア松濤サロンは、ピアノの販売や関連業務を行なう会社が運営している、音楽を楽しむためのサロンのような場所だ。
レコーディングも可能な特殊な音響の環境にあるのだけれど、どうやらそれがミュージシャンに影響を与えているようなのだ。
もちろん、丁と出るか半と出るか、わからないのがインプロのおもしろさ。
それも含めて、野瀬栄進が待っている音に、聴き手も一緒になって出逢えるのかという“立ち会いの妙”もまた、このライヴの醍醐味だったりする。
さて、どんなセレンディピティが生まれるのだろうか、楽しみだ。
では、行ってきます!