最難関な関東の雪予報、あす8日(金)朝の予想でもまだ不確実性あり
低気圧に伴う降水域と下層寒気の兼ね合いは?
関東地方では、あす8日(金)午前中に雪や雨が降り、雪が主体となった場合は、東京23区でも雪が積もり、場所によっては、南部の平地でも大雪となる可能性がある状態です。
ただ関東の雪予報は、数ある予報の中でも最難関の予報とも言われていて、今回も前日の夕方になっても、雪が主体なのか、雨が主体なのか、雪になった場合、どれくらい積もるのかなど、まだまだ不確実な状態です。
今回、関東地方に雪をもたらすのが上図の伊豆諸島付近に発生する低気圧で、この降水域が関東南部を中心に広がる予想です。一つの目安として重要な上空1500メートル付近の寒気に注目すると、0度以下で雪の可能性が少し出て、-3度以下ならばその可能性が高まることになりますが、ちょうど関東の平野部が0度から-3度の間に位置していて、少し寒気が強まれば雪が主体に、少し寒気が弱まれば雨が主体にもなり得る状況です。
さらに降水が少し強まれば、地上の気温が下がり、降水が少し弱まれば、地上の気温があまり下がらないことにもなり、これら下層寒気と地上気温、あるいは降水強度の兼ね合いで、気温が予想より0.5度から1度でも上下すれば、状況が一変する可能性を含んでいます。
では今現在の主な2つのモデルによる計算はどうなっているでしょう。
GSMモデルの予想では?
GSMモデルによる予想では、日付があす8日(金)に変わる頃から冷たい雨が降り出し、ちょうど朝の通勤通学の時間帯となる午前6時から午前9時頃にみぞれや雪となり、ピークとなるでしょう。午前9時以降は、雨に変わりながら、昼頃には止む予想です。
MSMモデルの予想では?
MSMモデルの予想では、GSMモデルより、降水は弱含みで、あす8日(金)午前6時頃から午前8時頃まで、東京23区でも、一時的にみぞれや雪が降りますが、午前9時頃には止む見込みです。
GSMとMSMモデルによる予想降雪量は?
両モデルにより計算された予想降雪量は上図の通りです。
MSMモデルとGSMモデルの違いは、計算する格子間隔に差があり、MSMモデルの方がより細かい格子で計算されるため、こちらをもとに予報を組み立てることが多いものですが、気象条件により、GSM寄りを採用することもあるかと思います。
現段階では、GSMモデルの方が降雪量が多くなっていて、千葉から茨城の平地でも3センチ以上の黄色が広がっていて、東京23区でも1から3センチ程度の計算となっています。一方、MSMモデルは弱含みで、東京23区では、ほとんど降雪量が計算されていません。
このように、計算によっても、未だに予想がばらついている状態ですが、気象庁の予想ではGSMモデル寄りの降雪量が予想されていて、平地では千葉北西部や多摩地方などで5センチ、その他の地方でも、おおむね2センチから3センチ程度の予想降雪量となっています。東京23区も3センチで、積雪となる見込みという発表です。
モデルの予想にはまだブレがある状態ですが、普段、雪になれていない関東南部の平地では、少しの積雪でも、歩行中の転倒事故や車のスリップ事故が多発することがありますので、あす8日(金)朝は、余裕を持った行動を心がけ、積雪や路面の凍結などに十分ご注意ください。