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台風21号と秋雨前線が一体化へ、11月とは思えないような大雨に十分警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風21号は台湾を通過してから転向へ

台風21号の予報円(ウェザーマップ)
台風21号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

非常に強い台風21号は、きょう31日(木)午後3時頃、台湾付近に上陸したとみられます。今後は、台湾の地形の影響を受けて衰弱し、あす11月1日(金)日中にかけて、東寄りに転向するでしょう。その後、あさって2日(土)朝までには、秋雨前線と一体化し、温帯低気圧に変わる見込みです。温帯低気圧は、あさって2日(土)午後から3日(日)朝にかけて、本州付近を通過するでしょう。

あさって2日(土)が大雨のピークに

あさって2日(土)の予想天気図(ウェザーマップ)
あさって2日(土)の予想天気図(ウェザーマップ)

タイトル画像をみると、台湾付近にある台風21号の雲と日本の南にある秋雨前線の雲がつながり、一体化してきている様子が分かります。あす1日(金)には西日本で雷を伴った激しい雨の降る所が出てくる見込みで、あさって2日(土)にかけて、大雨がピークとなるでしょう。上図は、そのあさって2日(土)午前9時の予想天気図で、もと台風21号から変わった温帯低気圧が秋雨前線と一体化して、九州に向かって東進している予想です。

季節外れの線状降水帯予測も?

3時間に100ミリ以上の確率(ウェザーマップ)
3時間に100ミリ以上の確率(ウェザーマップ)

上図は、あさって2日(土)午前9時までの3時間に、100ミリ以上の雨が降る大雨発生確率を示したものです。もと台風21号が近づいてくるため、九州北部付近の秋雨前線の活動が一段と活発化し、この確率が壱岐対馬や五島など、長崎県で40%から50%とかなり高く計算されています。

この40%から50%という確率は、気象庁が線状降水帯予測を発表する上で、参考にしている数値でもあり、この他、危険度分布の予測やLFMモデルでの雨雲の予想なども考慮して、検討されます。今後、九州北部を中心に、季節外れの線状降水帯予測情報が発表されるかもしれません。

広く警報級の大雨のおそれ

早期注意情報(気象庁の情報をウェザーマップが発表)
早期注意情報(気象庁の情報をウェザーマップが発表)

大雨がピークとなるであろうあさって2日(土)は、気象庁から西日本から東日本にかけて、広く大雨警報級の可能性[中]が発表されていて、特に九州北部には、[高]が発表されています。これは大雨警報が発表される可能性が高い見通しのためです。11月とは思えないような大雨となるおそれがあり、土砂災害、浸水害、洪水害の危険度が一気に高まる可能性もあります。決して11月だからと油断せずに、大雨に備えるようにしてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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