通算6度目の「1試合15奪三振以上」。さらに多い5人のうち、殿堂選手は4人、サイ・ヤング賞投手も4人
6月2日の試合で、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)は8イニングを投げ、15三振を奪った。シャーザーの1試合15奪三振以上は、昨年5月6日以来。通算6度目だ。サム・マクダウェルに並び、歴代7位タイから6位タイへ浮上した(追記:1908年以降)。現役投手では、4度のクリス・セール(ボストン・レッドソックス)が、シャーザーに次ぐ。
マクダウェルは殿堂入りしていないが、その上にいる5人のうち、4人は殿堂に入っている。3位タイのロジャー・クレメンス(10度)が選ばれていない理由は「薬物」だ。もっとも、選考投票の得票率は5年続けて上昇し、59.5%に達している。今後、殿堂入りに必要な75%以上の票を得るかもしれない。クレメンスが記者投票の対象となるのは、あと3度だ。
一方、5人のなかには、サイ・ヤング賞を手にしていない投手もいる。2位のノーラン・ライアン(26度)がそうだ。「投手三冠」のうち、最多奪三振は11度を数え、防御率1位も2度あるが、勝ち星は1位どころか2位のシーズンすらない。また、最多与四球は8度記録した。1987年は防御率と奪三振のいずれもナ・リーグ1位ながら、8勝しか挙げられずに16敗を喫し、サイ・ヤング賞投票では1位票ゼロの5位に終わった。最高位は1973年のア・リーグ2位。この年はジム・パーマーに26ポイント差をつけられたが、1977年のア・リーグは票が割れ、3位とはいえ、受賞したスパーキー・ライルとの差は10ポイントしかなかった(2位はパーマー)。
なお、シャーザーの二桁奪三振は86度目。こちらは、歴代7位に位置する(追記:1908年以降)。上位5人の顔ぶれは、1試合15奪三振以上と同じ。トップ2は入れ替わっていて、ライアン(215度)が1位、ランディ・ジョンソン(212度)は2位だが、3~5位は変わらない。
シャーザーのすぐ上、6位にいるカート・シリング(93度)は、殿堂に入っておらず、サイ・ヤング賞も受賞していない。クレメンスと同じく、シリングも選考投票に7度かかっている。今年の殿堂選手を選ぶ投票では、得票率60.9%。クレメンスをわずかに上回り、75%未満のなかでは最も高かった。