米イージス駆逐艦、中国空母と並走
4月3日から4日にかけて、中国海軍の空母「遼寧」を含む艦隊が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過して太平洋のフィリピン海に進出しました。
そしてこれを追跡しているアメリカ海軍のイージス駆逐艦「マスティン」が中国空母「遼寧」と並走しながら撮影した大胆な写真が4月8日に公表されています。写真の撮影日は4月4日です。
左側の座っている男性の帽子の後部に「CO」とあるのはCommanding Officerの略で艦長を意味しています。右側の男性の帽子の「XO」はExecutive Officerの略で副長(副艦長)です。「DDG 89」の89は駆逐艦マスティン(USS Mustin)の艦番号になります。DDGは誘導ミサイル駆逐艦の略です。
艦番号16、中国海軍空母「遼寧(リャオニン)」。飛行甲板後部に搭載機が見えます。
210404-N-YA628-2309 - Navy.mil (上記「遼寧」撮影写真、米海軍公式)
中国空母艦隊を追跡する日米の動きは民間光学衛星に捉えられており、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級イージス駆逐艦2隻と日本海上自衛隊の護衛艦2隻の合計4隻が追い掛けています。マスティンはこのうちの1隻でした。
空母「遼寧」はこのあと台湾の東の海上で演習を行いながら、4月10日朝には台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡を通過して南シナ海に入っています。
なお現在マラッカ海峡の入り口付近の南シナ海では、インド軍とのベンガル湾での合同演習から戻ってきたアメリカ海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」と、中東展開任務を終えて本国に帰還途中の強襲揚陸艦「マキン・アイランド」の艦隊が居て、演習を行いながら北上中です。このままでは米中の両艦隊が眼前で睨み合うことになるかもしれません。
南シナ海で合流し演習を行う空母ルーズベルトと強襲揚陸艦マキンアイランド。