史上最早ハリケーン発生 週末には台風1号になる可能性も
12日(火)気象庁から、今回のエルニーニョが過去3番目の規模になったと発表された。東部太平洋の異常高温のために、去年は記録に残る活発な台風・ハリケーンシーズンとなった。すでにエルニーニョの最盛期は終わっているものの、その記録は2016年に入っても続いているようである。実はもう、前例を打ち破る最早ハリケーン(国際名:Pali, パリ)が誕生しているのだ。
記録まみれのハリケーン
ハワイから南西に遠く離れた中部太平洋の海上で、7日(木)熱帯擾乱が発生した。これは、この海域において、観測史上最も早い記録である。しかも、その発生場所が、北緯4.7度と過去最も南に位置していた。台風が渦を巻くためには、コリオリ力と呼ばれる地球の自転の影響が必要なのであるが、その力が働くのは一般的に緯度5度以上と言われている。
これですでに2つも記録を塗り替えているのだが、それだけではなかった。12日(火)には、ハリケーンにまで発達、これまたこの地域での最早ハリケーンの記録となった。これで記録3つ目である。
しかし、記録はそれだけでは終わらなさそうである。驚くことに、週末には日付変更線を越える可能性が出てきた。こうなると、史上初の1月越境台風となる。
海が熱い
一体何が起きているのであろうか。
台風が発達するのに必要な海水温の目安は、およそ27度とされている。それは、暖かく湿った空気が台風のエネルギー源だからである。ハリケーン・パリの海域の温度は28~29度もあり、エネルギー補給にはばっちりの環境である。これは平年のこの時期よりも約1~2度も高いのであるが、まさにエルニーニョの影響である。今回のエルニーニョは、1997、1982年に続き史上3番目に強い。
ハリケーン・パリ、台風1号となるか
都道府県をまたぐと、警察の管轄権が変わるように、ハリケーンも日付変更線をまたいだら管轄がアジアに変わる。つまり、パリがこのまま日付変更線を越えたら、もうハリケーンではなくなって、今年1号目の台風(国際名:パリ)となるのである。アメリカの予測によると、その時期は日本時間の土曜か日曜日の見通しだ。今年一番目の注目すべき台風である。