子育てに正解はない?不正解はある?~元保育士パパが考える【子育ての正解と不正解】
「子育て中のお父さん、お母さんの中には、「子育ての正解がわからない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
昔からたくさんの医学書や育児雑誌があり、子育てについて書かれています。そして、最近ではインターネットを見ると子育ての情報が数多く載っているので、参考にしている人も多いでしょう。
しかし、「子育てに正解はない」と言う人がいます。その言葉を聞いて、「子育てに正解がないなら、育児書やネットに書いてあることは正解ではないの?」「正解がないけど、不正解はあるの?」などと疑問に思う人もいるでしょう。そして、正解がないなら子育てはますます難しいと感じてしまう人がいても無理はありません。
「子育てに正解がない」とはどういうことでしょう。本当に子育てには正解はないのでしょうか。正解がないなら、不正解もないのでしょうか。今回の記事では子育ての正解と不正解について解説します。子育てに関して迷いや悩みがある人は参考にして、少しでも気持ちが軽くなっていただけたら嬉しいです。
完璧な親はいない
子育ての正解と不正解を考える前に、完璧な親について考えてみましょう。
完璧な親は、どこにもいません。そもそも、誰一人として完璧な人間はいないのです。完璧な親がいないということは、完璧な子育てもないと言えるでしょう。どんな人も、第1子が生まれたときに初めて親になります。親になって初めて子育てをするので、わからないことやうまくいかないことがあるのは当然です。この記事を読んでいる皆さんの中にも、初めて子育てをしたときに悩んだり迷ったりしたという人は多いのではないでしょうか。
そして、子どもが大きくなるにつれて、悩みや迷いは減るどころか増えたという人もいると思います。子どもが大きくなればなるほど、子育てが難しくなったという人もいるでしょう。子どもを何人も育てた人でも、完璧に子育てができたという人は少ないと思います。中には、「私は子育てを完璧にした」という人はいるかもしれませんが、完璧かどうかは誰にもわかりません。
子育ての正解と不正解
「子育てに正解はあるか?それとも、ないのか?」
さまざまな意見があると思いますが、私は子育てに正解と不正解はあるというよりも、「子育ての正解は一人ひとり違う」「子育ての正解はその都度変わる」と思っています。つまり、子育てには算数や歴史の試験のような「共通の正解はない」のです。
育児書には、子育てに関するいろいろなやり方が書いてあります。沐浴やオムツ交換の仕方などの手順から子どもに対する接し方などありとあらゆることが書いてあるので、子育ての際によく読んで役に立ったという人や、育児書のとおりに子育てをしてうまくいった経験がある人は多いでしょう。その反面、育児書に書いてあるとおりにやってみたけど、うまくいかなかったことがある人も多いと思います。
子育てのことをパパ友やママ友、親などに相談してもらったアドバイスを実践し、「うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」の両方があるという人もいるのではないでしょうか。また、「上の子のときはうまくいったのに、下の子にはうまくいかなかった」とか「去年はうまくいったやり方が、今年はダメだった」という経験がある人はいませんか?
子どもは一人ひとり違います。したがって、「上の子と下の子」「友達の子どもと自分の子ども」で同じ方法がうまくいったりいかなかったりするのは当然です。また、子どもは日々成長しているので、昨日と今日で真逆のことをやったり言ったりすることもあります。成長とともに、去年はうまくいったやり方が今年はうまくいかないということは、多々あるでしょう。
子育ての不正解
育児書に書いてあることがうまくいかないと、「うちの子は大丈夫なのか」と不安に思うこともあります。しかし、決して不安に思う必要はありません。育児書の内容は、「正解」というよりも一般的な基準のようなものととらえるとよいでしょう。
そして、子育てには「体罰」や「虐待」など、絶対にしてはいけないことがあります。体罰や虐待は、絶対に正解ではありません。しかし、体罰や虐待まではいかなくても、疲れてイライラしてしまい、子どもに対して感情的に当たってしまった経験がある人は多いでしょう。子どもに悪かったと感じたら、素直に謝ったり反省したりすることは大切ですが、親としての自信を失くす必要はありません。子どもは親の姿を見て、「お父さんやお母さんでも間違うことはあるんだ」ということに気付いて安心したり、「悪いことをしたと思ったら、謝ることが大切なんだ」と気付いたりします。
つまり、子どもはどんなことからも学ぶことができるのです。だからと言って子どもに感情的に当たってよいわけではありません。しかし、親も完璧ではないので、失敗したことがあっても落ち込んだり自信を失くしたりせず、親も失敗から学んで子どもと同じように成長していけばよいのです。
もし今、子育てに自信を失くしていたり迷いや悩みを感じたりしている人は、「みんな自分と同じように悩んでいる」ということを思い出し、子育てに前向きに取り組んでください。反対に、「私の子育ては完璧で、何も迷いがない」と思っている人こそ要注意です。子育てに自信がある人は、「自分も完璧な親ではない」ということを自覚し、「自分の子育てはこれでよいのか?」「改善するところはないか?」というように、自分の子育てを振り返り、ブラッシュアップしていくことを心がけましょう。
まとめ
子どもも親も、どんなことからも学ぶことができ、実際の経験や体験からしか学べないこともあります。子育ては簡単ではないので、悩んで当然です。しかし、簡単ではないからこそ1度の失敗で悩み過ぎず、子どもとの時間を大切に過ごしてください。
もしかすると、子育てには正解や不正解という概念は必要ないのかもしれません。子育ての正解があるとすれば、それは家庭によって違うのでしょう。
親も子どもと一緒に成長する気持ちで、子育てを楽しんでください。