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【茶の歴史】紀元前の書物にも書かれていた!中国でいつからお茶は飲まれていたの?

華盛頓Webライター
credit:unsplash

四川・雲南に始まるか、はたまた中国東南部か──茶の起源は二説あり、どちらも「茶葉は遥かな古より我らを待ち続けていた」といわんばかりです。

その発祥の地である四川では早くから喫茶の風習が芽吹き、長江沿いを伝い江南地方にその香りを広げたといいます。

だが、茶の歴史を辿ると「茶」という字が普及したのは唐代からです。

それ以前は「荼」「茗」「荈」など、まるで別名の友人のように呼ばれていました。

紀元前2世紀の書物には既に「檟」や「荈詫」の名が登場するものの、これが茶であるかは議論の的です。

神農本草経には薬効が記され、陶弘景が「これは茶だ」と豪語したものの、唐代の批評家たちは「いやいや、苦菜だ」と反論しています。

茶と苦菜が同一視され、そして否定される、まさに歴史の迷路でしょう。

やがて茶が「荼」の名で登場するのは、前漢の王褒の記した「僮約」です。

そこには「武陽で荼を買う」との記述があります。

武陽までの道のりを思うと、苦菜であるはずがありません。

こうして紀元前1世紀には茶の文化が確かに芽吹いていたことが判明したのです。

南北朝時代には詩人張載が「芳荼」と称え、梁代には「茶」という文字が登場した可能性もあります。

しかし、それが広く使われるにはまだ時を要しました。茶の歴史は名を巡る物語でもあるのです。

参考文献

ビアトリス・ホーネガー著、平田紀之訳(2020)『茶の世界史』、白水社

Webライター

歴史能力検定2級の華盛頓です。以前の大学では経済史と経済学史を学んでおり、現在は別の大学で考古学と西洋史を学んでいます。面白くてわかりやすい記事を執筆していきます。

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