東京ヤクルトに入団するサイ・スニードは、サイ・ヤング賞投手ではないけれど…
来シーズン、サイ・スニードは、東京ヤクルトスワローズでプレーするようだ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールが、契約に合意したという情報をツイートしている。
メジャーリーグの通算登板は26試合。昨シーズンが8登板、今シーズンは18登板だ。すべてリリーフとして投げ、その多くはモップ・アップ(敗戦処理)だった。今年のポストシーズンは、ワイルドカード・シリーズ、ディビジョン・シリーズ、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのいずれもロースターに入ったが、登板はなかった。各シーズンの防御率は5.48と5.71、奪三振率は9.70と10.90。それほど高くはない。主に先発として投げていたマイナーリーグ時代のシーズン奪三振率は、8.00前後だった。
スタットキャストによると、今シーズンの投球は、平均93.0マイルのカッターが70%近くを占めた。平均79.8マイルのカーブと平均82.6マイルのスライダーは、それぞれ15%弱。この2球種のうち、左打者にはカーブ、右打者にはスライダーを多用した。
また、鬚とスキンヘッド――今もそうかどうかはわからない――もさることながら、スニードについて、気になるのはファーストネームだ。サイ・ヤングの場合、本名はデントン・トゥルー・ヤング。サイはサイクロンを縮めたニックネームだが、スニードは違う。サイ・R・スニードが本名だ。
5年前、エリック・ハイズマンがファンサイデッドに発表した記事で、スニードは名前の由来を訊ねられ「サイ・ヤングにちなんで名づけられた。名前がサイならたどる道は一つしかない、生まれたその日から投手だったんだと思う」と答えている。
スニードの父と兄、ボブ(ロバート)とゼブ(ゼブロン)も右投手だった。ウィスコンシン・スポーツ・ストリームのボブ・ブレイナードによれば、ゼブの名前は父の大学時代のチームメイトにちなんでいるという。スニード家の3人は、いずれもドラフトで指名された。ボブは1986年の42巡目・全体870位(ニューヨーク・メッツ)、ゼブは2012年の11巡目・343位(カンザスシティ・ロイヤルズ)、サイは2011年の35巡目・全体1074位(テキサス・レンジャーズ)と2014年の3巡目・全体85位(ミルウォーキー・ブルワーズ)だ。父は入団せず、兄はメジャーデビューできなかったが、2度目の指名でプロ入りしたサイは、そこから5年後にメジャーリーガーとなった。
なお、メジャーデビューした2019年6月27日の試合で、スニードは4回表から9回表まで6イニングを投げた。初登板でリリーフとして6イニング以上は、2013年8月18日に11回表から16回表まで投げた、クリス・ジョンソン以来のことだった。ジョンソンもサイ・ヤング賞は受賞していないが、2016年に沢村栄治賞を手にしている。