ここホントに東京…?日本唯一の砂漠、「裏砂漠」で異世界体験
みなさんは日本に「砂漠」が存在することを知っていましたか?そして、その砂漠はなんと、東京都にあることを知っていましたか?
「東京砂漠」とか、そういう意味の砂漠ではありません。本物の砂漠があるのです、東京に。
日本唯一の砂漠「裏砂漠」
唯一の砂漠があるのは東京都の伊豆大島。「裏砂漠」というなんともかっこいいネーミングの砂漠です。かつては反対側に「表砂漠」があったことから、裏砂漠と呼ばれているんだとか。
伊豆大島の真ん中にそびえる火山、「三原山」の火山灰や小さな軽石が、真っ黒な砂漠を作り出しています。
今回はこの砂漠へ行ってきました。
「裏砂漠」を目指して
人生初の島旅に、伊豆大島に来ました。
伊豆大島に着いて、島ならではの海風感じるサイクリングを一通り楽しんだところで、そろそろ気づいたんですよね。「この島は火山が主役だ!」と。島の内陸部はアップダウンがかなり激しく、沿岸部にも溶岩でできた赤い岩肌があちこちに露出しています。
これは……山に行かなければ伊豆大島に行ってきたとは言えない!と思い、伊豆大島の中心にある三原山、そして三原山を代表する名所である裏砂漠へ行ってみることにしました。
三原山の標高は758 m。タクシーで中腹まで移動し、ネットで見かけたトレッキングルートで裏砂漠を目指します。
スタートは大島温泉ホテルの脇道。
5分ほど歩くとうっそうとした木々に囲まれます。
砂漠というよりジャングルか……?ぬかるみもあるので気を付けながら進みましょう。
数十分、まっすぐ歩くと、木々はどんどん減っていき、草木の高さが下がってきました。さっきまでジャングルだったのに、もうここは草原です。枯れ始めている雑草が、砂漠が近付いてきたことを感じさせます。
地面はぬかるんだ土からざくざくした軽石に変わり、火山らしさが出てきました。
どんどん背丈を低くしていった草木はついになくなり、真っ黒な軽石の地面だけが残りました。裏砂漠に到着です!
「裏砂漠」で異世界トリップ
なーんにもない裏砂漠は、寝っ転がって味わうのがおすすめです。
青い空と、黒い地面。海から吹き上げる風の音と、すべてを吸収してしまうような静かな大地。この対比は実際に行かなければ決して味わえません。
スマホの電波も圏外か弱めで、ひたすら「無」の空間で瞑想できるので、考え事や悩みがある方にはおすすめかもしれません。
ここが日本であること、東京であることなんてすっかり忘れてしまっていましたが……
よーく見ると、海の向こうには富士山が。ああ、ほんとうにここは日本で、東京なんだなと、今いる場所に気づかされました。
これまでいろんな場所に旅行してきましたが、正直なところ、裏砂漠がいちばん「異世界」のようでした。現実からぷつんと切り離されたような、違う世界に飲み込まれるような、不思議な引力のある場所です。
伊豆大島に行くなら、海遊びはもちろん、三原山の裏砂漠にもぜひ立ち返ってみてください。どの島でも、どの観光地でもできない不思議な「無」の体験ができるかもしれませんよ。
マニアックなスポットへの散歩や旅に興味のある方は、ぜひフォローしてくださると嬉しいです!ではまた次の旅で。