安倍首相の『シンクライアント』方式だから『データ復元不可能』は問題発言だ!
KNNポール神田です。
□読み方はどちらが正解?『サーバ』なのか『サーバー』なのか?
日本の日本産業規格の『JIS』では、『サーバ』の読み方を推奨しているというより、「外来語の表記に語尾の長音符号を省く場合の原則」を定めていたからだ。
a) その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。(例:エレベータ/elevator)
b) その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。(例:カー/car、カバー/cover)
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?toGnrJISStandardDetailList
しかし、その流れは時代とともに変化していきている…。
マイクロソフトの日本語表記ルールの変更
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/article/Watcher/20080728/311592/
日本製のベンダーのNECや富士通などは『サーバ』と『ー』の長音を使わない方が多い。一方、IBMやソニーなどのグローバル組のベンダーは『サーバー』と長音を使う。安倍首相のペーパー担当者は、国内での慣用で『サーバ』と書いたようだ。しかし、安倍首相の発音は『サーバ』と頭高で発音したことにより、『鯖(さば)?』に聞こえ、ネット上で揶揄された。
■内閣府内での表記ゆれ菅官房長官は『サーバー』と発音
安倍首相と同じ内閣府の作成したペーパーを読んでいる菅官房長官ではあるが、『サーバ』ではなく『サーバー』と発音している。
JISでも表記が慣用例によって変化してきているが、同じ統一の部署や、報道では『サーバ』なのか『サーバー』なのかはどちらかに統一しておいてほしいものだ。
■トレンド急上昇する『シンクライアント』とは…?
『シンクライアント(Thin client)』とは、Thin(薄い)+client(クライアント=ユーザー)であり、ユーザー側の端末でデータを保存するのではなく、サーバ(サーバー)側でデータを扱う方式のことである。ネットワーク上にあるひとつのデータをユーザーが共有しているイメージだ。なので、サーバ側のデータをルールで削除してしまうとユーザー側は利用することができない。
しかしだ…。データ復元は本当に不可能なのか?
■シンクライアント方式では本当に『データ復元』が不可能なのか?
『シンクライアント方式』なので、『データ復元』は不可能には少し、違和感がある。データを削除することは簡単にできてしまうが、データ復元やデータ復旧の道が閉ざされたわけではない。
一つの方法が、『データサルベージ』で検索してみるとわかりやすい。サルベージとは、沈没船などの引上げ作業のことであり、失ったデータの復元復旧方法なのだ。
データの保存方式は、物理的な外側のインデックスレコードが書き換えられてデータが消去されているようには見えるが、磁気媒体の中身そのものは全体を消去する『イニシャライズ』を行わない限り存在しているはずだからだ。シンクライアント方式であっても、磁気媒体での保存はそのようなものだ。またエンジニアとしては、絶対にどこかで万一のためのバックアップは必ずとってあるのが一般企業での考え方だ。いくら上層部から削除しろと言われてもだ。国家機密であれば、その限りでないのかもしれないが…。しかし、データを意図的に上書きするようなことをしていればそれはそれでまた野党に追求されるだけだ。
わかりやすいハードディスクのしくみ
https://www.data-sos.com/self/index.html
本気で『桜を見る会』のリストが必要であれば、『データ復元』は物理的に可能である。しかし、この論議を国会でやることに意味があるのだろうか?筆者は、『桜を見る会』の追求には全く興味がない。
こちらは、国会の答弁ではなく公職選挙法(公職選挙法221条では、買収および利害誘導罪について規定)なので立法機関の国会ではなく、司法機関の側でやりとりしてほしいとさえ願っている。国会ではもっと大事な大事な案件を扱ってほしいと願うばかりだ…。
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この件については、筆者の音声メディア『VOICY』でも配信している。