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サントリー新人・梶村祐介、活躍した試合で何を反省?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
身長180センチ、体重93キロ(著者撮影)。

 報徳学園高校3年時にラグビー日本代表の練習生となり、前年度は明治大学ラグビー部で副キャプテンだった梶村祐介は今季、国内最高峰トップリーグで2連覇中のサントリーに加入している。

 9月1日は愛知・豊田スタジアムでトヨタ自動車との開幕節に先発し、27-25で勝利。何度もボールを持ち込み力強く突破し続けた。もっとも当の本人は、決して満足していなかった。5日後、東京・サントリー府中グラウンドで思いを語った。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――初戦の収穫と課題は。

「よかったところはボールキャリー(突破)。それは沢木敬介監督からも求められていたことなのですが、よかったと思います。改善点は、フォワードを動かせなかったこと。チャンスがたくさんあったのに(トライを)3本しか取れなかった。それはぼくがフォワードをコントロールできなかったのが一番の原因でした。勝ったことはよかったですけど、本当に課題をたくさんもらえたゲームだったと思います」

――「フォワードを動かせなかった」。プレー中、周りの選手に声をかけ、然るべき位置に立たせられなかったという意味でしょうか。

「そうですね。あとはトヨタ自動車のディフェンスに対してのアタックのバリエーションを増やさなきゃいけなかったと思うんですけど、(相手防御に)狙われやすいアタックをしてしまった。もっとディフェンス側が守りづらいオプションを選べばよかったと思います。

 外側にたくさんあったスペースを突けず、(その手前で)ポイント(接点)を作って相手が沸いてくる(スペースを埋める)という時があった。チャンスは何回もやってこないのに、あの試合ではチャンスが何回もあった。そこをつけなかったのが、自分のなかで課題だったのかなと」

――それにしても、外国人センターを相手に強い突破を繰り返していました。

「これからトップリーグでやる時はああいうセンターが当たり前にいると思う。そういう人たちを相手にああいうキャリーができたのは自信になりました。できすぎた部分はあるのですが。キャリーはいまの自分に求められていることなので、それを喜んで引き受けるという感じです」

――日本代表入り、期待されていますが。

「まだ正直、そのレベルではないと思っていて。いま、サントリーで試合に出させていただいていますが、このチームの求めるレベルには達していない。ということは、日本代表でも通用しないと思う。まずこのチームで信頼を勝ち取れるようにしたいと思います。毎日課題をもらえるいまの環境がすごく楽しいので、まずいまの自分を見直したいと思います。

 フォワードをコントロールするとか、バックスでスペースを見てアタックするということがギッツさんや大志さん(スタンドオフのマット・ギタウ、アウトサイドセンターの村田大志)に比べるとレベルが低すぎる。この間の試合も大志さんに助けられた部分があるので。これからタイトなゲームが続くなかでは、そうしたところ(周囲のコントロールやスペースのチェックなど)でも信頼を勝ち取っていかないといけないと思います。

 いまの段階では、試合前に求められるのはボールキャリーだけです。ただ(本来)試合では12番(梶村のプレーするインサイドセンター)って色んなことをしないといけなくて、そのなかで自分はキャリーしかできていない。いろんなことにチャレンジしなきゃいけないです」

 力強いキャリーでアピールも、当の本人は「キャリーしかできない」と反省。7日は東京・秩父宮ラグビー場でNTTコムとぶつかる。ここでは無形の力も発揮したい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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