矢野監督に「あいつらしい、あいつしか打てない打球」と言わしめた江越選手の一発《阪神ファーム》
阪神タイガースは、きょう20日から1軍が甲子園に帰ってきて巨人との3連戦、ファームは広島との3連戦(由宇、岩国、由宇)です。また来週は1軍が遠征となり、ファームは後半の27日から甲子園で広島との3連戦が組まれています。これが甲子園で開催される今季初のウエスタン公式戦ですね。ゴールデンウィークが始まる週末、多くのお客様が観戦されるでしょう。
さて鳴尾浜で行われていたオリックスとの3連戦は2勝1敗と勝ち越した阪神。これで通算10勝12敗2分け、リーグ4番目にようやく10勝到達です。
きのう19日は能見篤志投手が先発。前日の1軍・中日戦が中止となった影響で、この日ファームで調整登板しました。6回を投げ散発3安打、7三振、無四球、球数69、三塁を踏ませぬ(二塁に走者を置いたのも6回の一度きり)完璧なピッチングを披露。打線は江越大賀選手の3号ソロで先制して5回にも1点加えますが、完封目前の9回2死からモレノ投手がホームランを打たれ…そのあともハラハラさせながら何とか逃げ切っています。
《ウエスタン公式戦》4月19日
阪神-オリックス 6回戦 (鳴尾浜)
オリ 000 000 001 = 1
阪神 000 110 00X = 2
◆バッテリー
【阪神】○能見(2勝)‐岡本‐伊藤和‐Sモレノ(1敗3S) / 岡崎-長坂(7回~)
【オリ】●山崎颯(2敗)(6回)-佐藤達(1回)-山本(1回) / 飯田
◆本塁打 江越3号ソロ(山崎颯)、園部1号ソロ(モレノ)
◆二塁打 中谷、山足
◆盗塁 荒木(5)、熊谷(8)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]指:江越 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .240
2]一:荒木 (2-1-0 / 1-1 / 1 / 0) .222
3]三:北條 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .176
4]二:板山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .295
5]左:陽川 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .196
6]中:中谷 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 1) .203
7]右:島田 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .222
8]捕:岡崎 (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .278
〃捕:長坂 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .281
9]遊:熊谷 (3-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .187
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
能見 6回 69球 (3-7-0 / 0-0 / 0.00) 144
岡本 1回 18球 (0-1-0 / 0-0 / 3.38) 143
伊藤和 1回 22球 (1-0-1 / 0-0 / 5.40) 147
モレノ 1回 17球 (1-0-0 / 1-1 / 3.86) 152
《試合経過》※敬称略
まず阪神の攻撃から。1回は荒木に左前打が出たものの盗塁死と三振2つ、3人で終了。2回は三者凡退で、3回も先頭の島田が四球を選びますが、併殺と遊ゴロ。やはり3人で片づけられました。しかし4回、先頭の江越が2ボールからの3球目、143キロの真っすぐを打ってレフトへのホームラン!1点を先取します。
5回には1死から中谷が中越え二塁打を放ち、2死後に暴投で三塁へ進み、岡崎の中前タイムリー!熊谷が右前打で続き、岡崎は三塁へ。ここで熊谷が二盗、岡崎はホームを狙うも…タッチアウト。1点止まりでした。6回にも先頭の江越が左前打しますが、牽制で飛び出してアウト(記録は盗塁死)。そのあと荒木が四球を選んで盗塁を決めたものの後続が断たれて追加点なし。7回、8回は三者凡退です。
投手陣は、先発の能見が1回、2回と三者凡退で立ち上がり、3回に1死から8番・飯田の左前打を許しましたが、問題なく抑えました。そして4回は3連続三振!5回は武田の左前打のみ。ここまで二塁を踏ませないピッチングだったのですが、6回に2死から山足の左中間二塁打で初めて得点圏に走者を置いた能見。でも最後は三ゴロで打ち取っています。
7回は岡本と長坂のバッテリーに代わり、三者凡退。8回の伊藤和は、先頭の代打・西野に左前打され、1死後に四球を与えるも坂本の三直(北條ナイスキャッチ!)で併殺。9回はモレノが登板して5球で2死を取り、2試合連続の完封リレーまであと1人というところから、4番・園部が152キロの直球をレフトへホームラン…。
土壇場で1点差に詰め寄られ、続く西浦の中飛を中谷が追いついてグラブに当てながらポロリと落としてしまい、二塁まで進めてしまいます。でも次の吉田雄を二ゴロに仕留めて試合終了。ヒヤヒヤされられる締めでした。
いいイメージで次回の登板へ
矢野燿大監督は能見投手の投球を振り返り「よかったね。変化球のキレも。高さもいいコースで。空振りを数多く取っていたしね。能見のいい時のピッチング、そのままが出ていた」と絶賛しました。
「1軍と2軍では気持ちの持ち方が難しい部分はあると思うけど。たとえば何度も投げて調子いい中での調整ならいいが、一度投げただけという状況ではプレッシャーもかかっただろう。それでも、きょうの内容は安心できるってとこを見せてくれた」
その姿勢も投球内容も、ファームの選手にいい見本だったのでは?「ただ投げるんじゃなくて"ピッチング"やからね。テンポも高さも、いいお手本になってくれたと思う」
高橋建投手コーチは「ここで2試合を見た限り、すごいピッチャーなので、あのピッチングなら1軍で十分でしょう」という言葉です。
3月31日のオリックス戦に続いて今回も同期入団バッテリーとなり、リードした岡崎太一選手は「よかったですね。いいイメージを持って次につなげてくれたら」とニッコリ。
能見投手は以前、自身の開幕に向けて「元気で投げられるのが一番」と言っていたので「きょうも元気に?」と聞いたら「元気ですよ~」と、まさに元気な声でした。この日はファームでの調整登板となり、次回の1軍マウンドに向けてはまた大変でしょう。でも「試合の感覚としてはよかったです」と能見投手。きのうのような快投を楽しみにしています。
一発で仕留めたHRを自信に
次は江越選手です。18日はタイムリー、19日は先制ソロだけでなく次の打席でも左前打を放ち「調子がいいみたいですね」と記者陣に聞かれたものの「いや最近は…ちょっと微妙だったんですけど」と苦笑。でも、そのあと「練習で修正できたかなと思います」と続けました。
「基本的に真っすぐから(打ちに)いっているんですけど、矢野監督がいつも話している『客観的に見て、ここは真っすぐが来ないだろう』というようなところは考えて」打席に立っていると言います。「スイングにどう影響するかわからないですけど、余計な力を入れないよう(バットの)ヘッドだけで、という意識でやっています」。江越選手の、あのヘッドスピードだけで打球は十分飛んでいくでしょうね。確かにホームランの打席では、とても軽く振っている感じです。
それと試合後の“ヒーロースピーチ”も、なかなかいい感じだったと思いきや「気を抜いていました」と江越選手。自分がやると思っていなかったんですかね。まあ最後はハラハラだったし。また、ホームランを打って戻ってきたら、みんなが胸を叩く“ゴリラポーズ”で迎えるのは陽川選手と江越選手だけだそうで。「はい、知っていました」。なるほど、周知の事実なんですね。
矢野監督は江越選手のホームランに「見事やったね!」という第一声。「あの打球の低さ、ライナーでね。何より一発で仕留められたのは調子が上がってきているということ。あいつらしい、あいつしか打てない打球だった。自信にしていいと思う。その1本で終わらず、もう1本打ったってのがよかった」
それから「今は彼の打席を見るのが楽しみ。まあ飛び出し(牽制で盗塁死)とかはアカンから、反省するとこは反省して。でも楽しみが増えてきたよ」と、楽しみを繰り返した矢野監督です。
きょう20日、由宇の広島戦で江越選手が2試合連続弾!それも自身今季2本目の先頭打者ホームラン(前回は鳴尾浜なので1回裏、今回は1回表)を放って先制したのですが、残念ながら1点差で負けました。陽川選手、江越選手が2戦連発となると、そろそろ中谷選手のアーチも見てみたいところですね。中谷選手はゴリラポーズじゃない…かな?
<掲載写真は筆者撮影>