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台風は今年あといくつ発生するのか

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2020年10月の台風14号と秋雨前線(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 今年の台風の発生数は13個(9月23日まで)で、1951年以降では4番目に少なくなっています。

 一方、日本に接近した台風は8個あり、平年と比べて数は少ないものの、接近する割合は平年を上回る62%となっています。今年の台風は発生すると日本に近づきやすいようです。

今年はあといくつ発生するのか

 台風は一年間に、平均すると25個くらい発生します。今年が平年通りならば、あと12個足りません。

 ただ、一年間に25個と言っても、台風が多い年、少ない年があるはずです。もう少し詳しくみてみましょう。

年間の発生数を個数別にまとめたグラフ(1951年~2022年)筆者作成
年間の発生数を個数別にまとめたグラフ(1951年~2022年)筆者作成

 年間の発生数を個数別にまとめたのが上のグラフです。最も少ない年で14個、最も多い年は39個と開きがありますが、全体としては20個~30個に収まっています。

 よく見ると、23個を中心としたグループ①と29個を中心としたグループ②に分かれるようです。

 今年は平均よりやや少ないグループ①になる可能性を考えていますが、今年も残り3か月あまり、台風の活動は再び、活発になるのでしょうか。

10月の台風は大雨になりやすい

 台風が進むコースは太平洋高気圧の張り出しと偏西風の位置に左右されるため、台風の動きには季節変化がはっきりと表れます。10月の台風は太平洋高気圧の後退にともない、日本の南東海上を通るようになります。

【月別の台風の主な経路】気象庁ホームページ、はれるんライブラリーより
【月別の台風の主な経路】気象庁ホームページ、はれるんライブラリーより

 10月は近づく台風が少なくなるからと言って安心はできません。秋雨前線が太平洋側に停滞することが多いため、台風と前線の雲が重なり、度々、大雨になっています。

 表紙の画像で紹介した2020年10月の台風14号では、東京は3日間で155.5ミリのまとまった雨が降りました。

来月初めは雨が多くなる予想

 今年は8月15日に和歌山県に上陸した台風7号、今月8日の千葉県に記録的な大雨をもたらした台風13号など、影響が大きい台風は月の前半に多い印象です。来月も雨が多くなるのでしょうか。

地上の予想天気図(9/30~10/6):ウェザーマップ作画、筆者加工
地上の予想天気図(9/30~10/6):ウェザーマップ作画、筆者加工

 地上の予想天気図によると、日本付近は気圧が低く、太平洋側には秋雨前線が停滞するでしょう。また、南シナ海~フィリピン付近は閉じた等圧線が予想されていて、熱帯じょう乱(熱帯低気圧)が発生する可能性があります。

 今年は季節の進みが遅いため、台風シーズンが長引く見通しです。

【参考資料】

気象庁ホームページ:はれるんライブラリー、どうして台風は7~9月に多く来るの?

気象庁:1か月予報(9/23~10/22)、2023年9月21日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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