もと台風14号の位相が再び本州付近を指向へ 激しい雨に要注意
西日本を通過し、東海沖で温帯低気圧に
台風14号は、一時、中心気圧905hPaの猛烈な勢力となり、先島諸島近海を北上後、9月にしては大変珍しく、東シナ海で数日間ほとんど停滞しました。その後西日本から紀伊半島を通過し、おととい18日(土)午後3時、東海沖に進んだところで温帯低気圧に変わりました。
多くの場合、9月のこの時期に本州付近で温帯低気圧に変わる台風位相は、偏西風(上空の強い西風)に流されて、一気に東の海上に遠ざかるものですが、この台風14号位相は最後まで異例な動きをしています。
伊豆諸島の南にほとんど停滞中
上図一番左が台風14号が温帯低気圧に変わった時点の実況天気図で、低気圧は東海沖にあって、前線を伴い、時速30キロで東進しています。
真ん中がきのう19日(日)午前9時の実況天気図で、前線はなくなり、関東沖を南東へ進んでいますが、速度を速めるのではなく、20キロに減速して移動中です。
そして一番右がきょう20日(月)午前6時の実況天気図で、低気圧は伊豆諸島の南に進み、ほとんど停滞している状況です。
タイトル画像の雲の様子をみても、未だに渦を巻き、関東の南方海上でウロウロしているもと台風14号の低気圧の姿が確認できます。
この低気圧は本州付近を流れている偏西風帯に乗ることが出来ずに、南から再び強まってきた亜熱帯高気圧の中に取り囲まれてしまったような格好で、東シナ海でほとんど停滞してしまった時と同じように身動きが取れない状態となっているようです。
再び本州付近を指向へ
現在、伊豆諸島の南海上でほとんど停滞しているもと台風14号から変わった低気圧ですが、今後はこの低気圧を西寄りに押し出すような流れが生じ、あす21日(火)にかけて、再び東海沖へ逆走するような感じとなりそうです。
気象庁の予想では、この低気圧は今後天気図上では表せない不明瞭なものとなる見込みですが、コンピュータによる計算では十分に追跡することができ、やや不確実ながらも、あす21日(火)午後3時には紀伊半島の南海上に進む計算です。
さすがに暴風が吹き荒れたり、極端な大雨となることはまずないと思われますが、もと台風14号の暖湿気がまだ周辺に残っているため、東海地方を中心に局地的に雨雲が発達し、激しい雨が降る可能性がある他、沿岸部を中心に、風も強まる可能性があります。
再び逆走してくるもと台風14号の暖湿気(低気圧)に、念のため、ご注意下さい。