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【京都市右京区】室町将軍が天皇鎮魂のために建てた世界遺産の寺院で池の蓮の花が見ごろを迎えています!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

京都地方気象台(外部リンク)は2024年7月26日頃まで日中の最高気温が連日36度~37度と体温と同程度まで上昇して、連続の猛暑日となることを予測しています。2024年7月22日14時発表時点でも、環境省から京都を含む近畿全体に引き続き熱中症警戒アラートが発令されていることを伝え、厳重な警戒を呼びかけています。

 そんな中、嵐山のメインストリートの人出もすこし穏やかになった気がします。通りの中ほどの嵐電嵐山駅の向かいに位置するのが、臨済宗大本山天龍寺です。総門を入って直ぐの左手にある放生池で蓮の花が咲き乱れ見ごろを迎えていました。石橋を挟んで、八重紅蓮・白蓮・舞妃蓮など白や赤、ピンク色の花々が饗演しています。

 仏像の台座にもなっている蓮は、仏教において特別で神聖な花といわれます。 泥水の中から真っ直ぐに伸び、高貴な花を咲かせ、泥には染まらない姿を釈尊(釈迦)は困難や苦しみから立ち上がりつかみ取る人の一生に例え、「分陀利華(ふんだりけ)」と呼んだのだとか。

 1994年に世界文化遺産にも認定登録された天龍寺は、建武の親政の後、政争に敗れた後醍醐天皇を鎮魂するために、足利尊氏が、暦応2年(1339年)に夢窓疎石を開山に迎え創建しました。臨済宗の大本山として、室町幕府の指定する京都五山の第一位ともされた禅の寺です。

 天龍寺で最も目を見張る建築物といえば、七堂伽藍の一つで、切妻造の屋根下の大きな三角形の壁を正面に見せる庫裏でしょうか。方丈や客殿と棟続きとなっていて、元は僧侶たちの台所であったといわれます。白壁と梁の茶褐色のコントラストが綺麗です。禅寺では、「見立て」(目の前にあるものが、人によって違うものに見える)から寺務所や玄関に設置されることが多いようです。

 また、玄関に入った正面に置かれる大衝立の達磨図は前管長の平田精耕老師の筆によるもので、方丈の床の間などに同じ達磨図が見られ、達磨宗である禅を象徴しする天龍寺の顔ともいえるものです。

 夢窓疎石の作庭と伝えられる地泉回遊式庭園は曹源池を中心に遠景の嵐山と近景の亀山の借景を巧みに取り入れており、国の史跡及び特別名勝第一号に指定されています。また法堂には、戦後の日本画をけん引したと称される加山又造画伯により描かれた雲龍図が掲げられています。

 見どころいっぱいの天龍寺へぜひ立ち寄りください!

臨済宗天龍寺派宗務本院(外部リンク)京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 075-881-1235

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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