ADHDは注意力がないのか? 不注意なのか?
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「ADHDは注意力がないのか?」というテーマでお話したいと思います。
では、早速。
ADHDは、発達障害の一種です。以前は、注意欠陥多動症候群という名前でしたが、今は注意欠如多動症という名で呼ばれています。注意の欠如、多動、衝動性という3つの行動を必須とする行動的症候群です。多動がない注意欠如だけの人は、ADDと呼ばれています。
ADHDの人は、次のような特徴・症状が見られます。
1.不注意
① 重要な用事でも期限を守れない
子どもでは日々の宿題や長期休暇の課題、大人では重要な書類などを期限内に仕上げることができず、「育ちが悪い」「仕事ができない」などのレッテルを貼られてしまうことが多いです。
② 物事を順序立てたり、やり遂げられない
子どもでは宿題中であるのにテレビやゲームなどのほかの刺激に気を取られ、ひとつの物事に集中できないことが多いです。大人の場合は、複数の仕事が重なると上手に計画を立てることができず仕事がたまっていくことが多いです。これらの特徴が、期限を守れないことにつながっていきます。
③ 必要なものをなくす、忘れ物が多い
子どもでは学校に持っていくものを家に忘れたり、親に渡さなければならない書類を渡し忘れたりします。大人では日用品や化粧品などを直ぐになくしたり、仕事や約束事を忘れたりします。
2.多動性
① そわそわと手足を動かす
子どもでは机や椅子をがたがた動かしたり、何かを常に触ったりしてしまいます。大人では体を小刻みに揺らしたり、貧乏ゆすりをしたりします。
② じっと座っていられない
子どもも大人もじっと座っていることが苦手です。動きたくなってしまうからです。
3.衝動性
① 自分の興味があることだと、喋り過ぎることが多い。思ったことを直ぐに口出してしまったり、相手が話の途中であるのに話し始めてしまったりします。
② 衝動買いが多い
欲しいと思ったものは後先考えず直ぐに買ってしまうなど、自身の欲求をコントロールで来ません。
③ すぐにイライラする
待つことが苦手です。ものごとが自分の思い通りに進まないと、イライラして大声を出したり、モノにあたったりしてしまいがちです。
以上、
不注意、多動性、衝動性の3つがADHDの特徴なのですが…、
よくある勘違いとして、ADHDの方は、注意力がないと思ってらっしゃる方がおられますが、そうではありません。ADHDの方は、注意力をうまくコントロール出来ないだけであって、注意力そのものがないわけではありません。
ADHDの方は、時に過集中と呼ぶ、もの凄い集中力を発揮して、物事に取り組み、大きなことを成し遂げたりすることが出来ます。よって、ADHDの方は、そんな自分の特徴を上手に活かす形で、生きていきましょう。
次に、ADHDは発達障害なので、治るというものではありませんが、
ADHDの方は、日常生活への支障を最小限にするために、心理・社会的治療と薬物療法を受けてみては如何でしょうか?
心理・社会的治療とは、カウンセラーによるカウンセリングです。
日常生活で困っていることを、どう乗り越えていけばいいのか? カウンセラーと一緒に考えます。
薬物療法とは、医師による投薬治療です。
薬物によって、ノルアドレナリンやドーパミンといった脳内物質の不足を改善させます。主には、コンサータやストラテラなのですが、2次障害を来たしている方には、抗精神病薬や抗うつ薬や抗不安薬を出すこともあります。
というわけで、今日は以上です。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。