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王将戦七番勝負開幕! 第1局先手・藤井聡太挑戦者(19)掛川の深蒸し茶を飲み、飛車先の歩を突く

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月9日9時。静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室において第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局▲藤井聡太挑戦者(19歳)-△渡辺明王将(37歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 王将戦ではすっかり恒例となった掛川城での対局。渡辺王将はここで過去に6回対戦して6戦全勝です。

 対局室にはまず、藤井挑戦者が姿を見せました。

 藤井挑戦者の後頭には寝癖がついていました。そのあたり、将棋界の王者の系譜を感じさせます。

 続いて渡辺王将が登場。床の間を背にして上座にすわります。

 両者、駒を並べ終えたあと、久保田崇・掛川市長が勢いよく振り駒をして、畳の上に敷いた白布の外に3枚の駒が飛び出ました。表の「歩」が2枚、裏の「と」が3枚で、先手は藤井挑戦者と決まりました。

 本局の立会人は森内俊之九段です。

森内「定刻になりました。挑戦者・藤井竜王の先手番で対局を開始してください」

 午前9時、森内九段の合図を聞いて両対局者は「お願いします」と一礼。2日制・持ち時間8時間の対局が始まりました。

 掛川はお茶の名産地。藤井挑戦者は深蒸し茶を口にしたあと、初手、飛車先の歩を突きました。

 対して渡辺王将も同様に、飛車の前の歩を一つ伸ばします。

 戦型は相掛かりに進みました。

 渡辺名人の今年度成績は18勝11敗(勝率0.621)です。

「冬将軍」とも言われる渡辺王将。王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負のダブル防衛戦が始まります。

 藤井挑戦者の今年度成績は45勝10敗(勝率0.818)です。

 今年度、ハードスケジュールが続いた藤井竜王。年末年始で少し間が空き、公式戦を指すのは久々となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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