【日本ファッション史】高く結い上げた髷が大流行していた!江戸時代の人々はどんな髪型をしていたの?
江戸時代の髪型は、着物の華やかさに負けず劣らず、時代の息吹を映し出すものでした。
男性の丁髷(ちょんまげ)は、その結い方ひとつをとっても、時代ごとに異なる表情を見せ、室町時代末期から広がった露頂(ろちょう)の風習が独自の進化を遂げたのです。
武士が剃り上げた月代(さかやき)の広さや、髷の形が職業や身分を象徴し、流行も交えた多彩なバリエーションを展開しました。
その中でも、「本多髷(ほんだまげ)」は高く結い上げた髷が印象的で、流行の最先端を走る存在だったとか。
一方、女性の髪型はさらに複雑かつ象徴的です。
未婚か既婚か、身分や地域、さらには時代ごとに異なる髪型は、その人の人生そのものを物語っていました。
初期の島田髷(しまだまげ)や兵庫髷(ひょうごまげ)は、遊女から一般庶民へと広まりを見せ、中期の鶺鴒髱(せきれいたぼ)や後期の灯籠鬢(とうろうびん)は、流行に敏感な江戸の女性たちの心を掴みました。
こうして、江戸の髪型は、単なる装飾を超えてその人の「物語」を語る役割を果たしていたのです。
参考文献
シリンガル・レイハン(2013)『衣服から見る日本』広島大学国際センター日本語・日本文化研修プログラム研修レポート集 , 28期 : p1-19