筆者は整理収納アドバイザーですが、資格取得前の独身時代は10年以上汚部屋に住んでいました。何度も片づけに挑戦するも、ことごとく失敗。そんな筆者の経験をもとに、今回は物を捨てる前に捨てるべき3つの思考をご紹介します。思考を片づけておくと作業も捗りますよ。

1.完璧を捨てる

完璧主義とは、高い目標をもち完璧を目指すためにミスや失敗を許すことができず頑張りすぎてしまう傾向にある性格や行動を指します。

汚部屋に住んでいた筆者は「どうせ片づけるなら計画通り実行したいし、休日にやり切りたい。」と常に思っていました。しかし計画通り進まなかったり、1日で終わりそうもないと分かると「もうダメだ」と諦めてしまう始末。

のちに筆者は汚部屋を脱出しますが、その時に気づいたのは「うまくいかないのが当たり前」ということ。そもそも何年も片づけられなかったから汚部屋になったのです。それをたった1日でキレイにするには業者に依頼しても無理があるかもしれません。

それに目標は完璧に片づけることではなく、理想とする暮らしを手に入れることです。勉強や料理だって習ったことがなければ最初からうまくいきません。同様に片づけも苦手であればあるほど最初から完璧を求めずハードルを下げて取り組んでみましょう。自分に厳しさを課さなくても大丈夫。ほどほどの片づけでも生活の質は向上するはずですよ。

2.言い訳を捨てる

「時間がないから」

「どこから片づけたらいいか分からない」

「人に見られないから」

「疲れているから」

「捨てる物なんてない」

これらは片づけでつまずいた時に筆者が思っていた言い訳のごく一部。

いつも周りのせいにして、できない自分を正当化していたのですが結局状況は変わりません。やがて筆者はのっぴきならない状態で汚部屋から脱出しました。さすがにその時ばかりは言い訳なんてしていられないほど手を動かす日々。しかしその苦しい状態を抜けた後に「言い訳は自分のためにならない」と気づいたのです。

自分を甘やかすために言い訳をしたくなる気持ちも分かりますが、それで暮らしは好転しません。片づけに躊躇していたら言い訳を考えていないか客観的に自分を観察してみましょう。早く言い訳を捨てた人ほど片づけるモチベーションが高まるはずですよ。

3.自己否定を捨てる

筆者は汚部屋に長く住み続けていた時「片づけすらできないダメな人間」と過剰に自己嫌悪を繰り返していました。それゆえ何をやるにしても「どうせ無理」と最初から決めつける癖が染みつくほど。いくら片づける時間や体力に余裕があっても後ろ向きな気持ちだったので作業は一向に進まず「ほらね、やっぱり私にはできっこない」といつも落ち込んでいたのです。

しかし自己否定も言い訳同様、自分を責めても何も状況は変わりません。筆者は自己否定から抜け出すには自分を変える以外方法はないと片づけを通して学びました。決して簡単なことではないですし、時折「やっぱりダメかも」と落ち込むこともあります。ですが、たった1個のゴミを捨てられただけでも十分だと自分を褒めるようにしました。

高望みをやめて、等身大の自分ができることできちんと評価するようにしたのです。自己否定をすることで、できない自分を慰め許していましたが、それは自分に対する優しさではないと気づいたのです。今では自己否定を捨てて「今の私にできること」に取り組む方がはるかに自分にとってプラスなことだと実感しています。

心身の負担になる思考は早めに捨てよう

片づけは完璧を目指しても言い訳をしても、自己否定をしてもできない訳ではありません。けれど恐らく充実感や満足感、自己肯定感を得ることは難しいでしょう。

ならば同じ片づけでもマイナスな思考を捨てて取り組んだ方が、ポジティブに作業もできるし自分は自分でいいと自信を持ちながら一歩ずつ理想とする暮らしに近づけるはずです。「今度こそ」と片づけに取り組む人は、ぜひ参考にしてみてください。