麦わら鯛はマズイのか?さばいて刺身にして食べて確認
麦わら鯛と言うのをご存じでしょうか?麦わら鯛とは麦の収穫時期に獲れるマダイの事です。マダイは4~6月位が産卵期と言われていて、産卵前のマダイは桜鯛と言って珍重されますが、産卵が終わると脂が落ちて身が痩せます。そんな痩せたマダイが獲れるのが麦の収穫と重なる時期で「麦わら鯛」と呼ばれています。
麦わら鯛は産卵後で脂が落ちて痩せてるから不味いとされていて、今の時期、魚屋さんでは養殖のマダイより安く売られています。昨今は物価高の影響で魚の値段も高く、養殖鯛も昨年より2~3割高くなっている印象ですが、麦わら鯛は不味いと言われているので安く売れています。
一昨日、自宅近くのスーパーで買ってきた天然マダイを捌いて刺身にして食べてみました。麦わら鯛は本当に不味いのでしょうか?
上の画像はスーパーからの帰りに撮った、自宅近くの麦畑です。麦の収穫時期、麦秋に撮れるマダイを「麦わら鯛」と言います。
こちらが買ってきた麦わら鯛です。35cmちょっとのサイズで980円(例年より高い)でした。天然鯛なので尾ひれの形がシャープに尖り、明るい色合いをしています。麦わら鯛は麦のようにきつね色になるなどとも言われますが、そこまで黄色くはありません。これを三枚におろして刺身にします。
三枚おろしの手順は
1.ウロコ取りでウロコを取る。
2.エラとワタを抜き、腹腔内を流水で洗う。
3.三枚におろす。
この手順になります。記事下の動画を参考にやってみてください。
下の画像はワタを引き出したところですが、ワタの黄色い部分が卵巣です。
産卵前の卵巣はパンパンに張って大きくなっていますが、産卵後なので小さくしぼんでいるのがわかります。捌いていてわかりましたが、包丁に脂が全くつきませんでした。脂がのった時期にさばくと、包丁に脂がべったりと付くんです。
刺身にする手順は
1.腹骨を切り取り、血合いの小骨を切り取る。
2.皮を引く。
3.お好みの刺身に切る。
この手順になります。
今回は腹側の身をそぎ切り、背側の身を変形の平造りに切って盛り付けています。下の画像が盛り付けたところです。
刺身にわさびとしょう油をちょんとつけて頂きます。捌いている時にわかりましたが、脂が無いのでとてもあっさりしています。味気ないとも言えますが、逆にあっさりした味が好きな方には向いているかもしれません。脂ののった桜鯛と比べると間違いなく落ちるとは思いますが、これはこれで美味しく食べられると思います。
麦わら鯛は安く売られているので買いやすく、刺身だけでなく鯛しゃぶにするのもお勧めです。そして普通の刺身だけでなく、ユッケやなめろう等にアレンジするのもいいのではないでしょうか。昆布と一緒に漬けにしてづけ丼もいいですね。
下の動画は天然鯛をさばいて刺身としゃぶしゃぶにする動画です。
こちらはマダイの刺身をごま漬け丼にする動画。
不味いと言われる麦わら鯛ですが刺身で普通に食べられるし、お好みにアレンジする楽しみもありそうです。