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マズイと言われる麦わら鯛を美味しく食べる、マダイのなめろう

筋肉料理人料理ブロガー、料理YouTuber

麦わら鯛とは麦の収穫期に獲れるマダイのことで、産卵直後の体力を回復していない状態であることから、脂、旨味が落ちてマズイと言われています。先日、麦わら鯛の刺身は本当にマズイのか?確認するために捌いて食べてみました。結果、脂が落ちた白身はあっさりしていて味気ないところはありますが、それはそれで美味しいものでした。

マズイと言われる麦わら鯛を刺身にしたものです。見た目はとても美味しそう!
マズイと言われる麦わら鯛を刺身にしたものです。見た目はとても美味しそう!

麦わら鯛の刺身がどういうものかと言うと、刺身を食べる時にしょう油につけますが、脂ののったマダイだと身がしょう油をはじき、小皿のしょう油にマダイの脂がぱっと広がります。麦わら鯛はしょう油をはじかず、しょう油の表面に脂が広がりません。脂が無いので何となく水っぽい感じがして、しっかりした旨味を感じにくくなっています。

麦わら鯛を刺身で美味しく食べるには、例えば釣りたてのをすぐに血抜き、ワタを取って数日寝かし、旨味が増したところで食べる方法もありますが、この方法では自宅で手軽にという訳にはいきません。

マズイと言われる麦わら鯛の良いところは値段が安いところで、気軽に買えるから嬉しいところです。ですので料理も手軽なものがいい。そこで私がお勧めするのは「なめろう」です。

麦わら鯛でマダイのなめろう

「なめろう」は房総半島沿岸が発祥の郷土料理、漁師料理で、アジやイワシ等の青魚を味噌、薬味と一緒に粘りが出るくらいに叩いて作ります。食べるとわかりますが、これが美味しい。酒のつまみにもご飯にも、どちらにもいけます。

一般には小型の青魚で作られることが多いなめろうですが、実は白身やイカで作っても美味しいんです。マダイで作っても当然美味しいですが、高級魚のマダイをわざわざなめろうにはしません。そこで麦わら鯛です。値段の安い麦わら鯛なら「なめろう」にしやすいので、珍しいマダイのなめろうを楽しめます。

麦わら鯛でマダイのなめろう

材料1人分

マダイの刺身 80g

長ねぎ 3cm

大葉 1枚

おろしにんにく 少々

味噌 大さじ1/2

七味唐辛子 お好みで

作り方

1)長ねぎは粗みじん、大葉は細く切ります。マダイの刺身は薄く切ります。

マダイの刺身は薄く切ります。大葉は千切り、長ねぎは粗みじんに切っています。
マダイの刺身は薄く切ります。大葉は千切り、長ねぎは粗みじんに切っています。

2)マダイの刺身、長ねぎ、大葉、味噌、おろしにんにくを一山にして包丁でたたきながら混ぜます。粘りが出るまで叩きますが、刺身が大き目の粒状に残っている状態がいいです。

鯛の刺身、薬味、味噌を一山にして包丁で気長に叩きます。
鯛の刺身、薬味、味噌を一山にして包丁で気長に叩きます。

なめろうは粘りが出るまで、ペースト状になるまで叩いて作りますが、私的には刺身が粒状に残っている位が美味しいと思います。
なめろうは粘りが出るまで、ペースト状になるまで叩いて作りますが、私的には刺身が粒状に残っている位が美味しいと思います。

皿に盛りつけ、お好みで七味唐辛子をふります。

麦わら鯛でマダイのなめろうのできあがり。お好みで七味唐辛子をふり、ぴりっとさせると更に美味しくなります。
麦わら鯛でマダイのなめろうのできあがり。お好みで七味唐辛子をふり、ぴりっとさせると更に美味しくなります。

麦わら鯛でマダイのなめろうの出来上がりです。脂がのっておらず味気なかった麦わら鯛の刺身が、味噌、薬味と一緒に叩くことで旨味が入り、とても美味しくなります。そのまま刺身で食べるより数段美味しいです。上にも書きましたがお酒のつまみにもご飯にも合います。

これからの蒸し暑くなる季節には「なめろう冷やし茶漬け」もお勧めです。冷や飯に出汁をかけ、その上になめろうをのせます。さっぱりしているので、さらさらと美味しく食べられます。下の動画はアジなめろうの冷やし茶漬けですが参考にご覧ください。

料理ブロガー、料理YouTuber

料理ブロガー、調理師、料理研究家。フィットネス全般の愛好家。料理レシピ開発、料理教室、料理イベント、料理の撮影、スタイリングなどを手掛ける。プロフ名の筋肉料理人は、30年以上続けている筋トレを捩ってつけました。目標は70歳でベンチプレス100キロです。

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