【NHL】ついに力尽きたデトロイトレッドウイングス!プレーオフ連続出場記録はサンアントニオスパーズへ
1991年から昨季まで、25季続けて(労使交渉が決裂しロックアウトによってシーズンキャンセルとなった年を除く)プレーオフに進出していたデトロイト レッドウィングスが、昨夜(現地時間)のカロライナ ハリケーンズ戦で、1-4のスコアで敗退。
この結果によって、NHLのみならず、NBA、NFL、MLB も含めた「北米4大メジャースポーツのチームの連続プレーオフ出場記録」(今季まで継続中の記録)が「25」でストップしました。
▼ヘッドコーチが引き抜かれ、主力選手が帰国
1997、98年に2連覇を達成したデトロイトは、90年代半ばから、2000年代まで、常に優勝候補に挙げられていた屈指の強豪チーム。
ところが、近年は苦戦を強いられる年が多く見られ、昨季もイースタンカンファレンスからプレーオフに進んだ8チームの中で、ポイント(勝点)は最少。辛うじてボストンブルーインズに競り勝って、プレーオフのチケットを手に入れたほどでした。
昨季の苦戦の要因には、オリンピックやワールドカップのカナダ代表も率いていた名将 マイク・バブコックが、ヘッドハンティングされて、同じディビジョンのライバルチームへ移ったことが、少なからず影響を及ぼした模様。
さらに今季は、チームの大黒柱だったCFの パベル・ダツックが「家族との時間を長くとりたい」との理由で、祖国のロシアに帰国するなど、 “デトロイトの顔”と呼ぶべき男たちが去ってしまったのが、1990-91シーズンから続いた「連続プレーオフ出場」に、ピリオドを打つ要因になったと言えるでしょう。
▼デトロイトのスゴさを表す数字
ついに力尽きてしまったとは言え、デトロイトが打ち立てた「25季連続プレーオフ出場」は、100年目を迎えたNHLの歴史の中で、
1位 → ボストン ブルーインズ「29季連続」(1967-68~1995-96)
2位 → シカゴ ブラックホークス「28季連続」(1969-70~1996-97)
3位 → セントルイス ブルース「25季連続」(1979-80~2003-04)
というように、「歴代3位タイ」の記録。
しかし、見逃せないのは、デトロイトの記録が、「1990-91シーズン~2015-16(昨季)まで」と、上記の3チームより後に作られたことです。
NHLの歩みを振り返ると、「オリジナル6」と呼ばれる創設当初から加盟している「6チーム」のリーグから、1967年秋には「12チーム」へエクスパンション。
さらにその後も、「14」→ 「16」 → 「18」・・・と加盟チームが増えていき、2000年から現行の「30チーム」体制になりました。
しかしながら、プレーオフへ進むことができるチーム数は、1979-80シーズンに12チームから「16チーム」へ増えて以降、現在まで変わりません。
1979-80年のレギュラーシーズンは、「21チーム」で争われていたことから、プレーオフ進出への道は「16/21」。パーセンテージで表すと、「76.2%」
ちなみに今季のプレーオフ進出の確率は「16/30」なので、パーセンテージで表すと、「53.3%」と、道のりは厳しくなっているのです。
このように、シーズンによってプレーオフに進めるチームの割合が異なることから、上記の3チームが、プレーオフ連続出場を継続していた間のプレーオフ進出の確率を、パーセンテージで紹介すると、
ボストン→「69.2%」シカゴ→「68.9%」セントルイス→「66.3%」
と全チームのうち約7割が、プレーオフに進出できた頃の記録であるのに対し、1990年代以降に続いていたデトロイトは、「57.0%」と、毎年厳しい戦いを制して、プレーオフに勝ち進んでいたのです。
▼デトロイトのスゴさを表すもう一つの数字
さらに、もう一つ紹介するのが、こちらの数字 →「56.5%」
この数字は、今季のNHL全選手のうち、デトロイトが前回プレーオフ進出を逃した1990年の春に、まだ生まれていなかった選手の割合です。
近年は、10代の選手が台頭し、チームキャプテンを担うようになったとは言うものの、この数字を見ると、デトロイトの記録のスゴさを、あらためて感じさせる数字だと言えるでしょう。
▼プレーオフ連続出場記録はサンアントニオスパーズへ
デトロイトのプレーオフ連続出場記録が途絶えたことで、現在のNHLのチームで、最も長くプレーオフ連続出場を続けているのは、ピッツバーグ ペンギンズの「11季連続」
NBA、NFL、MLBも加えた北米4大スポーツに広げると、サンアントニオ スパーズ(NBA)の「20季連続」に!(いずれも既に確定している今季を含む)
果たして、どこまでこの数字を伸ばすことができるのか、スポーツファンの注目が集まります。