Windows Phoneのシェア、欧州で過去最高の9%強、ノキアの端末が好調も日・米・中では苦戦中
カンター・ワールドパネルが公表した今年6〜8月の世界スマートフォン販売統計によると、欧州5カ国における基本ソフト(OS)別販売台数のシェアは、米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン(Windows Phone)」が9.2%となり、過去最高となった。
欧州各国のウィンドウズフォンのシェアは、英国が12.0%、フランスが10.8%、イタリアが9.5%、ドイツが8.8%、スペインが2.2%。
このうち英国とフランスでは前年同期から大きく伸び、初めて2ケタ台に乗った。またドイツでは「アイフォーン(iPhone)」との差が1ポイント以下に縮まっている。
カンターのアナリスト、ドミニク・スネボ氏によると、ウィンドウズフォンの成長を支えているのは、マイクロソフトが携帯電話事業の買収を決めたフィンランドのノキア。
同社の「ルミア520」「同620」といった低・中価格帯モデルは価格と機能のバランスを重視する16〜24歳、35〜49歳の顧客ニーズと一致しているという。
Android、先進国市場で成長鈍化
世界市場でトップの座を維持しているOSは米グーグルの「アンドロイド(Android)」で、そのシェアは欧州5カ国で70.1%、中国で72.4%、米国では55.1%といずれも高い水準。とりわけスペインでは90.8%と圧倒的な強みを見せている。
ただし、アンドロイドはここに来て伸びが鈍化しているという。カンターのスネボ氏によると、過去数年間にわたって伸びてきたアンドロイドのシェアは、先進国市場ですでに急成長が見込めないほどの高い水準に達している。
またアンドロイド端末の市場を牽引してきた韓国サムスン電子の欧州主要国における販売シェアは1年前から低下している。その一方で、ソニーモバイルコミュニケーションズやノキア、韓国LGエレクトロニクスの勢いが回復し始めたという。
iPhoneは米国で4割弱、日本では5割弱
世界全体で見ると、引き続きアンドロイドとアイフォーンのOS「iOS」が市場を支配していることが分かる。カンターの調査対象となっているほとんどの国では、首位のアンドロイドの後にiOSが続き、ウィンドウズフォンが大差で3位となっている。
とりわけウィンドウズフォンは米国市場でわずか3.0%と低迷しており、中国でも2.1%と振るわない。これに対しiOSのシェアは米国で39.3%、中国でも20.8%と、人気の高さがうかがえる。またこの調査は新型アイフォーン「5s」「5c」が登場する前の8月末までの3カ月間の販売統計であることから、カンターはiOSのシェアが今後数カ月でさらに伸びると予測している。
最後に日本市場を見ると、それぞれのシェアはアンドロイドが48.6%、iOSが47.4%と拮抗しており、この後にウィンドウズフォンが0.8%で続いている。iOSが5割近いシェアを持つ国はほかにはなく、日本はアップルにとって特別な市場となっている。カンターは、国内最大手のNTTドコモがアイフォーンの取り扱いを始めていることから、今後iOSがアンドロイドを上回る可能性があるとしている。
(JBpress:2013年10月2日号に掲載)