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通算167勝のベテラン投手が、MLBからNHLへ転身!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤディアー・モリーナ(手前)とアダム・ウェインライト Sep 16, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月28日、セントルイスの地元テレビ局は「速報:ウェインライトがブルースと再契約」と報じた。

 もちろん、これは誤報だ。アダム・ウェインライトは、通算167勝の右投手。今オフ、FAとなり、それまで在籍していたセントルイス・カーディナルスと1年800万ドルの再契約を交わした。そもそも、セントルイス・ブルースはMLBではなく、NHLの球団だ。

 早速、ウェインライトは、そのニュースのキャプチャー画像とともに「これはびっくり!!!」とツイートした。

 続けて、「僕は必ずしも優秀なスケーターというわけじゃないけど、少し練習すれば…チャレンジしてみるよ」と綴り、左右にスライドしながら、最後にスラップ・ショットを打つ(ふりをする)動画をアップした。着ているのはブルースのジャージ。背番号はカーディナルスでつけているのと同じ「50」だ。かぶっているのは、ゴーリー・タイプのキャッチャー・マスクらしい。

 さらに、ウェインライトのツイートを受け、ブルースもこう書き込んだ。「練習開始は明日の午前9時30分」

 ちなみに、ウェインライトの移籍は、キャリアを通して1度きり。2003年12月に、アトランタ・ブレーブスからカーディナルスへトレードされた。メジャーデビューしたのは、その2年後の2005年9月だ。

 また、これまでのレギュラーシーズン通算2169.1イニング中、80%以上の1819.0イニングは、ヤディアー・モリーナとバッテリーを組んできた。2人の先発バッテリーは、ポストシーズンを含めると300試合を超える。ちなみに、ウェインライトは39歳、モリーナは38歳だ。

 ウェインライトと同じく、モリーナもシーズン終了後にFAとなり、こちらはまだ球団が決まっていない。ただ、今シーズンも、ゴーリー・タイプのマスクをかぶり、ウェインライトの投球を受けることになりそうだ。セントルイス・ポスト-ディスパッチのダーリック・グールドやMLBネットワークのジョン・モロシによると、カーディナルスはモリーナにも1年契約を申し出ていて、モリーナは近日中にそれを受け入れるつもりでいるという。

 こちらは、誤報ではないと思われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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