【名古屋市&近郊】実は散策スポットの宝庫・愛知!レトロな歴史情緒に浸れる「古い町並み」4選
名古屋の観光名所といえば、名古屋城が挙がりますが、実はその周囲にも歴史を感じられる場所が多くあるのはご存知でしょうか?
その代表的なスポットが、歴史ある古い町並み。城下町や伝統工芸の町として栄えた町並みが数々点在しています。今回はそんな名古屋とその近郊で、歴史情緒に浸れる散策スポットをご紹介していきましょう。
有松の町並み(名古屋市緑区)
かつて日本の大動脈として発達した東海道。「有松の町並み」は、池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間に設けられ、尾張藩の庇護下された伝統工芸「有松絞」で繁栄した間の町(宿場町の間にある町のこと)です。
「有松絞」とは、独自の絞り染め技法で織られる伝統工芸。かつて東海道有数のお土産として一世を風靡したことで知られ、歌川広重の東海道五十三次にもその様子が描かれています。
有松の魅力は、江戸時代の町並み景観が今なお受け継がれているということ。豪壮な絞り染め問屋の邸宅から、有松絞りの繁栄ぶりが伺えます。また彩り豊かな有松絞の工芸品を購入することも可能です。ちなみに筆者も有松絞りの名刺入れを愛用しています!
<有松の町並み>
住所:愛知県名古屋市緑区有松809
アクセス:名鉄・有松駅からすぐ
四間道の町並み(名古屋市西区)
名古屋城下町の景観を今に残している「四間道(しけみち)の町並み」。江戸時代前期に行われた清須越しに伴って形成されました。「四間道」の名は、江戸中期の大火の後、防火の目的や商業活動の円滑化のために道幅を4間(約7m)に広げたことに由来しています。
そんな四間道の見所は、数軒の家屋に見られる「屋根神様(やねがみさま)」。名古屋独自の信仰風習なのですが、研究成果によれば、名古屋にある屋根神様のうち、約半数が四間道周辺の西区に残っていると判明しています。
祀られる対象は、津島神社(疫病除け)や秋葉神社(火難除け)、熱田神宮など様々。多くの街道が交わっている、文化の結節点である名古屋らしい景観です。
<四間道の町並み>
住所:愛知県名古屋市西区那古野1丁目
アクセス:名古屋駅から徒歩約20分
知多岡田の町並み(知多市)
知多市にある「知多岡田の町並み」。かつて農家の副業として行われていた木綿栽培が、近代以降になると本格的に知多木綿という一つの産業として独立し、やがて"日本の三大絹織物生産地"と呼ばれるに至るまで、莫大な生産量を誇るようになりました。
その名残としてノスタルジックな町並みが根付いており、当時の繁栄ぶりが偲ばれます。知多木綿の旧問屋の邸宅を中心に、石垣や黒壁、塀や坂道など、高さに強弱ある景観が特徴です。
そんな「知多岡田」ですが、現在は知名度を上げて、町並みを後世へ残していこうと、古民家レストランや知多産クラフトビール造りを通じて町おこしが行われています。レトロな景観の中に、地元の人のエネルギーを感じられることも魅力の一つと言えるでしょう。
<知多岡田の町並み>
住所:愛知県知多市岡田
アクセス:名古屋から車で40分、名鉄常滑線「朝倉駅」からバス(岡田線)に乗りバス停・岡田で下車
瀬戸の町並み(瀬戸市)
焼物の町「瀬戸の町並み」。良質な土が産出されることから、窯業で栄え、今でも町中には窯や工房が軒を連ねる景観が見て取ることができます。近年は移住する若者が増えており、フレッシュに活気づいている町です。
そんな瀬戸の歴史が詰まっている場所が、瀬戸街道(現在の県道61号線)。江戸時代には、信州と名古屋の間で馬を使って荷物を運んだ「中馬」に盛んに利用され、明治以後は、瀬戸からの陶器輸送の馬車が通ったほどの繁栄ぶりでした。
そうした歴史の中で、瀬戸街道は、何度も改良拡幅されてきましたが、市内には、ところどころに昔の瀬戸街道の道筋も残っています。ディープな発見も多い町歩きを楽しむことができますよ。
<瀬戸の町並み>
住所:愛知県瀬戸市仲洞町〜県道61号線沿い
アクセス:名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅から徒歩15分〜30分
今回は名古屋市街とその周辺の歴史ある町並み景観をご紹介しました。都会の印象が強い名古屋とその近郊ですが、実は豊かな文化的背景を持ち、ノスタルジックな散策を楽しむことができます。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。