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元Cheeky Parade 関根優那が1st写真集。アイドル卒業から「不安はあっても絶対見せない」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
1st写真集『夕凪』を発売する関根優那(撮影/松下茜)

アイドル戦国時代がピークアウトした2年ほど前、グループの解散が相次いだ。いちタレントとなった元アイドルたちがその後も活躍を続けるのは容易でない中、Cheeky Paradeのメンバーだった関根優那は精力的に舞台に出演しながら、グラビアにも乗り出して注目された。1st写真集『夕凪』発売を前に、新たな道を行く胸の内を語ってもらった。

帰る場所がなくなって1人で戦う意識に

関根が所属していたCheeky Parade(チキパ)は、エイベックスのアイドル専門レーベル「iDOL Street」の第2弾グループとして2012年に結成。“小生意気で攻撃的”をコンセプトに7年に渡り活動してきたが、2018年に解散した。

――チキパが解散と言われたとき、予想はしていたんですか?

関根  時代の流れ的にアイドルグループの解散が増えた時期でしたけど、当時はまだまだ頑張るつもりで解散するとは思ってなかったです。聞いたときは頭が真っ白になりました。

――優那さんはラストライブの最後のMCまで「まだ解散したくない」と話していました。

関根  諦めきれない気持ちはすごくありました。でも一方で、発表から解散までの3ヵ月で、現実を受け入れて次の道に進んでいく心構えも整理できました。

――その時点ではどんな道に進もうと?

関根  お芝居一本でやっていきたい気持ちが強かったです。グループのときも年に1回、舞台をやらせていただいてましたけど、もともと天海祐希さんや小池栄子さんに憧れていて、女優さんになりたかったので。

――舞台に出演することは同じでも、アイドル時代とは気構えや求められるものが変わったりはしませんでした?

関根  アイドルをやっていたときも、舞台の現場では気持ちを分けていたので、それはあまり変わっていません。求められることも役によって変わるだけ。ただ、帰る場所はなくなった感じで、1人で戦っていく意識は強くなりました。

――去年は7本の舞台に出演。それぞれ稽古期間もある中で、かなりの数ですよね。

関根  舞台一本で、もっと出演されている役者さんが周りにいるので、たくさんやっている感覚はなかったです。確かに気持ちの切り替えは必要ですけど、忙しいほうが好きなので、それほど大変とも感じませんでした。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

少しでも迷ったら演じられなかった時代劇

――ミュージカル、2.5次元、時代劇などジャンルも多岐に渡っていましたが、何かに目覚めたような作品もありましたか?

関根  『道雪』は時代劇の常連の方ばかりの中でのお姫様役で、私が流れを止めたらいけないプレッシャーはすごくありました。迷いが少しでもあったら演じられない。「どうしよう……」という緊張を舞台では隠して、思い切り弾けたら、共演者の方に今までなかったくらい誉めていただきました。

――どんな誉め方をされたんですか?

関根  「度胸があるね」と言われました「芯がしっかりしているから、役にハマっていた」とか。自分の思った方向で間違いなかったと、自信が付きました。

――新型コロナウイルスの感染症対策で公演自粛になってしまいましたが、3月に上演予定だったビッグタイトルの『新サクラ大戦 the Stage』で主演に抜擢されました。

関根  オーディションで選んでいただいて「まさか」と思いましたけど、すごく嬉しかったです。お芝居だけでなく歌も殺陣もあって、「この作品で主演を張れたら人生が変わる」くらいに考えていたので、気持ちの入り方も気合いも違いました。

――舞台の場数を踏んで、自信も付いてきたところだったのでは?

関根  自信は基本いつもないです(笑)。でも、「自信がない」と言っている人間に主演は任せてもらえませんから。ハッタリでも自信を持たないとダメなので、自分に「できる」と言い聞かせているというか、思い込んでいる感じです。

――たとえばですが、2年前は「この役はできるだろうか?」と不安になることもあったのが、今はどんな作品が来ても「何とかなる」と思えるようになっていたりは?

関根  今も不安です(笑)。自信がないようなことは言いたくありませんけど、不安は毎回あります。でも、私は不安はあったほうがいいとも思います。同じくらい「絶対やってやる!」という気持ちも持ち合わせているので。自信ない姿は見せたくないですね。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

グラビアは自分を広く知ってもらうチャンス

舞台出演を重ねる一方、関根はCheeky Parade解散から程なく、『ヤングガンガン』を皮切りに雑誌で水着グラビアも披露。2019年11月発売の『ヤングチャンピオン』では表紙を飾り、この17日にサイパンで撮影した1st写真集『夕凪』を発売する。

――話が戻りますが、チキパが解散した時点でグラビアにも意欲はあったんですか?

関根  グループのときはグラビアはやってなかったんですけど、解散と同時にお話をいただきました。同じ事務所の浅川梨奈ちゃん(元SUPER☆GiRLS)や大原優乃ちゃん(元Dream5)がグラビアで成功したのを間近で見てきて、私を知らない人に名前を広めるチャンスだと思って、お受けしました。

――水着撮影に抵抗はありませんでした?

関根  緊張はめちゃめちゃしました。「何をどうしたらいいんだろう?」とまったくわからなかったので。現場ではスタッフさんがグラビアのプロの方ばかりで、いろいろ教えていただけたのは心強かったです。

写真集『夕凪』より(撮影/西條彰仁)
写真集『夕凪』より(撮影/西條彰仁)

――グラビアのやり甲斐や面白みは、早い段階で見つけられました?

関根  応援してくださる皆さんに何らかの形でお返しをしたかったので、雑誌の表紙が決まったときに、一番やり甲斐を感じました。

――表現としての面白みは?

関根  現場でカメラマンさんやスタッフさんが「こうしたときが良かったよ」とか「この表情を出していくといいよ」と教えてくださるので、そこから勉強していく部分が多いです。写真データをいただいて「これはちょっと力が入りすぎている」とか細かく教わることもあって、ありがたいです。

――他に、グラビアのために努力していることはありますか?

関根  体のプロポーションのために、食べ物を意識するようになりました。グループ時代はまったく気にしてなかったんです。私は一度に食べる量は少ないけど1日中ちょこちょこ食べていたのを、食べ過ぎた日の翌日は減らしたり、トータルで量を抑えるようにしています。

――運動をしたりも?

関根  ずっとライブをやっていた分、急に動かなくなって汗もあまりかかなくなったので、電車のひと駅分を歩いたりすることを心掛けています。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

身長が低いのがグラビアでのセールスポイント

――撮られ方の研究もしていますか?

関根  雑誌のグラビアページは必ず見ます。この人が出ているんだ、こんな感じで撮ったんだ……とチェックしていて。そういう見方は前と完全に変わりましたね。グラビアは人の写真を見て学ぶことが一番大切だと思うので。

――特に参考になる人というと?

関根  いろいろな方のグラビアを見ますけど、特定の誰かというのはないですね。私くらい小さい人(身長152cm)はあまりいないので(笑)。

――浅川梨奈さんの「1000年に一度の童顔巨乳」みたいなキャッチフレーズはないんでしたっけ?

関根  「募集中」と言ったまま止まっています(笑)。低身長と年齢(25歳)のわりに童顔なのがセールスポイントだと思うので、その辺を誰かイイ感じの言葉にしてください!

――グラビアではセクシーも大事ですよね?

関根  めちゃくちゃ大事だと思います。でも、難しいですね。今はその場の空気感を意識するようにしています。

――攻めたカットもある1st写真集『夕凪』でも、そんな感じでした?

関根  そうですね。その場の雰囲気に合わせた写真になっています。今まであまりなかった夜の野外撮影がめちゃくちゃ楽しかったり、海外ならではの開放感もありました。

――サイパンで写真集を撮るのは、グラビアタレントの一流の証です。

関根  写真集を出すのは小さい頃からの夢で、南国で撮ってみたいとも思っていました。撮影プラス、行ったことのない国に行きたくて(笑)。

――サイパンの青い空と海に感動したりも?

関根  すごく不思議な感覚でした。「本当に写真集を出せるんだ」という夢みたいな気持ちと、いろいろな衣装を着ながら新しい自分を出すプレッシャーと……。単純に喜んでいただける写真集にしたい想いも強かったです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

ガムシャラにやってたことが今に活きてます

――アイドルを卒業してから、まずは順調に来たように見えますが、昨年大晦日のブログでは1年を振り返って「苦しかったことも多かった」「自暴自棄になって泣くことも増えた」とも書かれていました。そういうこともあったんですか?

関根  去年は初めての環境をいろいろ経験する中で、「自分がこのポジションをもらっていいんだろうか?」と思うことも多くて。力量のなさを感じたり、思い通りに行かなかったり、悔しい想いはたくさんしました。まだまだなりたい自分に近づけてなくて、葛藤は結構あります。

――うまく転身できた感覚はないですか?

関根  全然そんな感覚はありません。「どうしたらもっとたくさんの人に自分のことを知ってもらえるのか?」というのが一番の課題です。写真集などチャンスはいただいているので、あとは自分がどうモノにするかですね。

――アイドルグループからソロになるとファンが減る、という話もよく聞きますが。

関根  単純に握手会とか会う機会は減るので、皆さんが会いに行ける方のところに行くのは仕方ないと思います。でも、舞台を観に来てくれたり、応援のコメントをたくさんいただくので、ありがたいです。

写真集『夕凪』より(撮影/西條彰仁)
写真集『夕凪』より(撮影/西條彰仁)

――今後はどんな展望がありますか?

関根  まず映画やドラマなど映像にも挑戦したいです。グラビアではカバーガール大賞を獲れるぐらいになれたら。雑誌の表紙って、すごいことだと思うんです。その号の顔になるので、たくさんの気持ちが賭けられていることを、自分が表紙になって実感しました。だから、何度も表紙を飾る皆さんは本当にすごい。私もそうなれるくらい知っていただいて、好きになってくださる方を増やしたいです。

――今までやってなくて、これからチャレンジしたいことも?

関根  『新サクラ大戦』の稽古で殺陣をやって、「これができたらすごくカッコイイな」と思いました。ちゃんと習って極めたいです。

――今の活動に、アイドル時代の財産が活きている部分もありますか?

関根  めちゃくちゃあります! 具体的に挙げるのは難しいですけど、チキパで経験したことはすごく多くて、「あの経験があったからこれができる」と思うことはよくあります。

――いろいろなジャンルで場数を踏んだこととか?

関根  ステージに立った回数もそうですし、しゃべることでも何でも、当時はただガムシャラで「これでいいんだろうか?」と思うときもあったのが、今になって、ひとつひとつが活かされている感じがします。

Profile

関根優那(せきね・ゆうな)

1994年9月28日生まれ。埼玉県出身。

2010年に『avexアイドルオーディション2010』でファイナリストとなり、2012年2月よりCheeky Paradeで活動。2013年1月にメジャーデビューし、2018年7月に解散。その後、本格的に女優活動を開始し、舞台『あの日はライオンが咲いていた』、『チェンジオブワールド』、『道雪』などに出演。また『ヤングジャンプ』、『週刊プレイボーイ』、『FRIDAY』、『ヤングチャンピオン』などでグラビア出演。1st写真集『夕凪』(秋田書店)が4月17日に発売。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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