SNSか新聞社公式サイトか…インターネットでのニュースはどのサイトで見るのか(2023年度版)
多くの人達がインターネット経由でニュースを見ている。それではその人達は具体的にどのようなサイトでニュースを見ているのだろうか。新聞通信調査会が2023年10月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に確認する。
今調査対象母集団では7割強が頻度は問わず、そして毎日ならば4割台後半がインターネット経由でニュースを閲覧している。
それではこのインターネットニュースの閲覧者は、どのようなルートでニュースを取得しているのだろうか。おおよそ想定できる選択肢「ポータルサイト」「SNS(ソーシャルメディア)」「新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイト」「キュレーションサイト」と、それ以外をまとめて「その他」で提示し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。なお「キュレーションサイト」は2018年度から選択肢に加わっている。
直近年度では検索エンジンなどのポータルサイトに掲載されている、新聞社や通信社などから配信のニュースを見ている人がもっとも多く81.7%。次いでLINEやTwitter、FacebookのようなSNS(「SNS」の言葉の意味として厳密にはLINEは該当しないが、広義では該当し、今件調査でもSNSとして扱っている)で見ている人が37.9%。新聞社や通信社、テレビ放送局のような従来型の報道メディアが直接提供しているインターネット上のニュースを見ている人は14.6%。スマートニュースやグノシー、News Picksのようなキュレーションサイトで見ている人も14.6%。
その他、例えば個人サイトや個別商品・サービスなどの企業サイト、プレスリリース集約サイトなどでニュースを確認する人は1.1%に限られている。ポータルサイトを利用する人がこれだけ多数に上るのは、そのサイト自身の信頼性に加え、多サイトを巡ることなく一か所でまとめて確認できる利便性によるところが大きい。個別の専門店にそれぞれ足を運ぶより、何でもそろうコンビニやスーパーでまとめ買いするようなもの。
「その他」以外について直近2023年度分を、回答者の属性別で区分したのが次のグラフ。
高齢層における、新聞やテレビのような従来型メディア好き、権威を好む傾向は、インターネットニュースの取得元にも反映されている。結局配信元が異なるのみで中身は同じ内容であることが多いものの、ポータルサイトやSNSではなく新聞社やテレビ放送局などそれぞれの、そしてリアルな媒体と密接につながりのあるサイトでチェックをする傾向があるようだ。30代以上では新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイトを用いる人が1割台後半もいる。一方で今件はポータルサイトそのものの機能における利用傾向ではないものの、30~60代では8割以上がポータルサイトを使っているのは興味深い。
SNSがインターネットにおけるニュース取得の手段として有用な認識をされている実情もつかみ取れる。特に若年層では多くの人が利用しており、18~19歳と20代ではポータルサイト以上の利用実情が確認できる。SNS単体で取得できるニュースは見出しや概要のみのものが多いが、それで十分と考える、割り切る人が多いのだろう。
あるいは元々SNSからインターネットの利用に入り、その中でニュースも見るようになっただけ、つまり最初から「インターネットでニュースを見る」とは、SNSで閲覧するような概要のみのニュースを見るものが常識との理解をしているのかもしれない。男女別では男性よりも女性の方がはるかにSNSと答える人の割合が多いのも興味深い実情に違いない。
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※メディアに関する世論調査
直近分となる第16回は2023年7月21日から8月20日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は2871人。有効回答者の属性は男性1377人・女性1494人、18~19歳53人・20代225人・30代324人・40代454人・50代515人・60代506人・70代以上794人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
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