オールスターに向かう「チャーター便」を用意されなかった2人の明暗
オールスター・ウィークエンドの前日も、レギュラーシーズンの試合は行われた。ダブルヘッダーなしで12試合だ。この他に雨天順延が2試合あり、30チーム中、ロサンゼルス・ドジャースとロサンゼルス・エンジェルスを除く28チームは、試合が組まれていた。
オールスター・ゲームに選ばれた選手の多くは、それぞれの球団が用意したチャーター便に乗り、ロサンゼルスへやってきた。ただ、なかには、チャーター便を用意してもらえなかった選手もいる。
その一人が、オークランド・アスレティックスのポール・ブラックバーンだ。アスレティックスからオールスター・ゲームに選出された選手は、他にいなかった。ヒューストンでの試合が終わった後、ブラックバーンは、普通の旅客便に乗る予定になっていた。
けれども、そうはならなかった。オールスター・ゲームのインタビュー・セッションで、ブラックバーンがFox26のマーク・バーマンに語ったところによると、事情を知ったヒューストン・アストロズが、チャーター便に同乗することを申し出たという。アストロズの選手たちとともに、ブラックバーンはロサンゼルスに到着した。
一方、ブラックバーンのような幸運に恵まれなかったのは、ワシントン・ナショナルズのホアン・ソトだ。
この件について、スポーツ・イラストレイテッドのステファニー・アステインは、ソトの代理人であるスコット・ボラスのコメントを報じている。それによると、アトランタ・ブレーブスとナショナルズが、7月17日にワシントンD.C.で試合を行った後、ブレーブスからオールスター・ゲームに選出された選手たちは、チャーター便で東海岸から西海岸へ向かった。一方、普通の旅客便に乗ったソトは、空港で2時間待つなどして、ロサンゼルスに着いたのは、ブレーブスのチャーター便より5時間遅い、翌日の午前1時半だったという。この日、ソトは、ホームラン・ダービーで優勝した。
ナショナルズも、アスレティックスと同じく、オールスター・ゲームには1人しか選ばれなかった。ただ、ソトの場合、「15年4億4000万ドルの申し出を拒否!? 総額は史上最高のトラウトを上回るが…」で書いたとおり、契約延長の話し合いがうまく進んでいない。また、ワシントン・ポストのチェルシー・ジェーンズによると、交渉の過程が外部に漏れていることについて、ソトは不快の念を示したという。
なお、ナショナルズがソトにチャーター便を用意していないことに、ブレーブスが気づいていたかどうかはわからない。もし、自分たちのチャーター便に同乗させていれば、ソトとボラスに好印象を与えただろう。ブレーブスは、そのチャンスを逃したという見方もできる。もっとも、ソトが望んでいるような契約を交わす資金は、ブレーブスにはなさそうだ。