台風に異変、西は少なく東は多い
どうやら太平洋に、異変が起きているようです。
台風1号発生の後、静寂を続けている太平洋西部ですが、日付変更線を挟んだ東部では、真逆の事態が起きています。第1号ストーム発生以来、史上最多のペースで嵐ができ、かつてない喧騒状態が続いているのです。
喧騒続く東部太平洋
太平洋東部で発生するハリケーンなどの嵐には、アルファベット順の名前がつけられます。今年はすでに、Agatha、Blas、Celia、Darby、Estelle、Frankと続いていて、現地時間22日(金)朝には、Georgetteが発生しました。日本語だと例えば、あきこ、いくお、うたこ、えいじ・・・といった具合です。
AからG、つまり今年は7個も発生しているのですが、これはいろいろな意味で異例なことなのです。
まず、7月迄に7つのストームが発生したのは、1985年以来の1位タイの記録です。もし今月末までにさらに発生するとなると、その記録も更新されることになります。
さらに、その発生ペースも、記録的です。実は今年、第1号Agathaが発生したのは7月2日で、史上最も遅い1号となりました。出遅れを取り戻すかのように、それ以来、3日に1個くらいのペースで、立て続けに発生しているのです。
太平洋東部のストーム事情
太平洋西部、すなわち、アジア周辺で発生する台風の動向には、多くの人々が固唾を飲んで見守っています。おそらく、この夏のYahoo検索ワードの上位には、「ポケモンGo」と並んで、「台風」がランクされていることでしょう。
しかし一方で、同じく太平洋でも、東部の海域は、あまり注目されていません。それは、この海域でできるストームは、たいてい西に移動し、その間広大な海の上を動くからです。ですから、海外の気象キャスターは、ここの海域の嵐を取り上げるとき、しゃれで「魚のための予報です」などと冗談を言っていたりするのを耳にします。
魚以外だと、進路に楽園ハワイがあることはありますが、気流や冷たい海水などに守られて、直撃することは非常に珍しいのです。
週末、ハワイは大荒れ
しかし、それが、現実に起ころうとしています。というのも、4号Darbyが現在ハワイに向かっており、現地時間23日(土)夜頃にハワイ島を直撃する可能性が出ているからです。ハワイ島に直撃するのは、2014年8月のIselle(イゼル)以来のこととなります。
このように太平洋は、台風の発生が少なすぎる西部と多すぎる東部という、両極端の現象が起きています。しかし全体的に見ると、バランスが取れているようにも見えるのです。
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「静かなる台風」(片山由紀子気象予報士)