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このまま終われない...沖堤防の川崎新堤(東扇島防波堤)への渡船と釣りを継続へ!審査結果は!?

お爺ちゃんの釣り散歩釣り好き一筋300年

釣り好き一筋人生を送ってきました、関東釣り散歩のひげお爺ちゃんです。
これまでの経験をもとに「釣り場のこと」「釣具のこと」をはじめ、釣りや水辺に関するあらゆるお役立ち情報をご紹介していきます。

今回は釣り人が気になっている沖堤防問題のお話です。

長年釣り人に愛されてきた釣り場、沖堤防で今後釣りができなくなるという問題で、現在釣り業界は一つの大きな転換期を迎えています。そんな中、大都会横浜のお隣にある川崎市でもこの沖堤防問題が過熱しており、釣り場として継続するための動きが活発化していたのです。

果たして川崎市の答えはどうだったのでしょうか...。

沖堤防の人気釣り場「川崎新堤(東扇島防波堤)」

川崎新堤は川崎市にある東扇島沖に浮かぶ沖堤防で、釣り人の間では「川崎新堤」の名で親しまれていますが正式名称は「東扇島防波堤」と言います。通年楽しまれている釣りは黒鯛狙いのヘチ釣り、ルアーの人気ターゲットのシーバス(すずき)で、潮通しが良く水深もあるので魚影はすこぶる良い。季節によってはワラサやサワラといった大型青物や食卓で喜ばれるマダコなども釣ることができます。

ここへの行き方は渡船を利用することになりますが、横浜と川崎からそれぞれ1軒ずつ、2事業者が渡船をおこなっています。全長約3.3kmにもなる巨大な防波堤は関東最大級で、平日で20~30人前後、土日祝日になると100人を超える釣り人が防波堤へ渡り、年間延べ約2万人も利用しているといいます。

防波堤は立入禁止

しかし実はこの人気釣り場の川崎新堤、なんと本来は立入禁止なんです。
防波堤設置の目的は「港内の静穏を維持し、荷役の円滑化、船舶航行・停泊の安全及び港内施設の保全を図る目的で設置した港湾施設」とされており、釣りをするためにある場所ではありません。そんな場所へ渡船をするなんてことは常識的にはダメなことなんですが、関東の沖堤防への渡船に関しては長い歴史がそうさせていたのか、港湾局の定期的なパトロールで注意喚起などはしつつも本格的な取り締まりはあまり行われてこなかったのが現実です。

沖堤防は全国的に釣り禁止へ

しかし2024年4月1日施行の「遊漁船業法の改正」により、今後、川崎新堤を含めた沖堤防での釣りは現実的に不可能になります。今回の法改正では、遊漁を営む事業者が都道府県に届け出る規定に案内する漁場を明記した上で利用者を立入禁止の場所に案内しない旨の明記が必要となりました。(10月1日までに届け出る規定)つまりこのままだと、立入禁止場所の川崎新堤に渡船しますが釣り人を立入禁止場所に案内しませんという意味不明な文面になってしまうので、結局は届け出自体ができなくなり、それはもう川崎新堤には渡船ができなくなるということを意味します。

この法改正は全国の遊漁を営む事業者が対象となっているので、川崎新堤に限った話ではなく全国の沖堤防が釣り禁止になる可能性があります。
※一部立入禁止ではない沖堤防や防波堤は除く

関東の沖堤防アングラーにとってはかけがえのない釣り場の一つだった川崎新堤。一足先に渡れなくなった横浜沖堤防群の後に残された最後の砦となっていたのですが、、、いよいよです。

このまま終われない!釣り継続への陳情の審査は...

だがこのままでは終われない。
歴史ある釣り場をなんとか継続させたい。
そんな想いを強く抱き、行動を起こす釣り人や業界関係者がいました。

2024年8月、川崎市議会で「東扇島防波堤(川崎新堤)における釣りを持続的に実施可能とする為の検討会等設置に関する陳情」が審査されたのです。

陳情の要旨は、東扇島防波堤(川崎新堤)における釣りを持続的に実施可能とするために、釣り人の安全確保等を含めその可能性を検討していただくとともに、環境資源としての港湾における釣り施設や既存の防波堤等の利活用を強く要望するというものです。

《具体的なポイントを抜粋》

  • 年間延べ2万人の利用(防波堤が大きいので混雑がなく足場が良く安心、沖に位置して潮通しが良く多種多様な魚が釣れる)
  • 防波堤を多目的利用することで地域創生等にも繋がる
  • 川崎市は釣り場が少なく残りは東扇島西公園しかない
  • 防波堤でのライフジャケット着用を徹底し指導している
  • 天気&風予報はシミュレーションモデルの異なる二つ以上を参考にし、雨雲&雷レーダー等、天候の急変にも備えている
  • 万が一に備え、携帯電話で連絡がつくようにしていつでも緊急出動できるようにしている

これら釣り場として認めてもらうことのメリットや安全性等についても説明がありましたが、最終的に今回の陳情に対する川崎市の考え方は以下のとおりでした。

東扇島防波堤(川崎新堤)はその設置目的から、日常的に関係者以外の者が立ち入ることを想定しておらず、荒天時には越波もあり、安全性を確保するための設備の設置も困難である。このような状況下で転落事故が発生した場合の救助は困難であり、また、天候の急変や地震発生時など、即時の避難行動がとれず人命に関わることから立入禁止としている。
上記のとおり、東扇島防波堤(川崎新堤)の釣りは、施設の安全管理上支障を来たすことから、当該施設における釣りを可能とするための検討は行わない。

また、観光資源として既存の防波堤を利活用し地方創生を目的とした取組が進められている港湾を国土交通省港湾局が釣り文化振興モデル港として現在21港を指定していますが、その内、長崎県五島列島の青方港は川崎新堤と同様の沖堤防になっており、同じように利活用できるのではないかという考えもありましたが、青方港とは状況が違って川崎新堤の場合は港湾運送等関係者をはじめとした利害関係者との合意が難しくなるだろうとの見解でした。

何より安全管理上支障を来たすということが問題となり、川崎新堤を釣り場として残すということに関しては検討すら行わないということです。

結論としては残念ながら川崎新堤での釣り継続は認められませんでした。

安全に釣りができる場所は検討する

しかしながらこのようなコメントも残されました。

「東扇島西公園」には柵、浮き輪、はしごなどの安全対策が講じられ、安心して釣りが楽しめる環境が整っており、秋の釣りシーズンには多くの釣り人が来園している。家族の貴重なふれあいの時間や海に触れる機会は大切であることから、引き続き安全に釣りができる場所を検討していくとしています。

沖堤防の魅力はもう味わえないかもしれませんが、釣り場を増やしてもらえることは本当に嬉しくありがたいこと。
是非とも実現して欲しいですね。

まとめ

今回の記事は参考になりましたでしょうか?
釣りのことや水辺に関することで何か参考になったり話のネタになれば幸いです。

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釣り好き一筋300年

釣り散歩のお爺ちゃんです。釣り経験だけが取り柄。釣り情報、釣り場レポートなどを紹介していきます。TwitterやInstagramにも挑戦。目指しているのはソーシャルメディアインフルエンサー。

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