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元WBCスーパーミドル級チャンプが21日に同暫定王座決定戦に出場

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:REX/アフロ)

 5月21日にWBCスーパーミドル級暫定王座の決定戦に出場するデビッド・ベナビデス(25)。現在25戦全勝22KOのこの選手は、過去に体重超過によって世界王座を失っている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210317-00227649

 それでも、尚、世界戦線に踏み止まれるのは、プロモーターやTV局が彼に商品価値を感じているからだ。

 先日もメディア向けウェブ会見がセットされた。その席で、ベナビデスは語った。

 「自分はここまで、攻撃的なスタイルでやってきた。常々、KOかストップで試合を終わらせたいと思っている。それが俺の戦い方だ。だからこそ(体重オーバーで)サスペンション明けの、ここ5戦は連続KO出来ている。

 次の対戦相手、デビッド・レミューとは嚙み合いそうだ。ヤツもモチベーションが高そうだし、パンチもあるから簡単な試合にはならないだろうが、仕留めてみせるよ。俺と一緒で、世界タイトル再挑戦を目指している男だよな。いい試合になるさ」

 レミューは2015年10月17日にGGGとの統一戦に挑み、8回で敗れている。戦績は43勝(36KO)4敗。33歳のカナディアンだ。

デビッド・レミュー
デビッド・レミュー写真:ロイター/アフロ

 「俺はスーパーミドル級でベストファイターの一人だ。どんな相手と戦おうが、自分を変えることはない。相手に合わせることもない。対戦相手がどうすれば困難に陥るかを学び、それをリングで遂行するだけだ。それがKOに結び付く」

(C)Esther Lin/SHOWTIME
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 「ケイラブ・プラント、ジャーモール・チャーロ、エドガー・べルランガあたりと戦いたいね。今回の試合をパスした後、ライトヘビー級に可能性があると感じれば、転向も考えるよ。まだ、分からないな。

 今、カネロとの試合は視野に入れていない。何故なら彼は、GGGとの第3戦を控えているだろう。それが終わるまでは現実的じゃないさ。素晴らしいキャリアを持ち、数々の熱戦を繰り広げてきたカネロだが、俺も十分に経験を積んで自信をつけ、ヤツを倒したいと思っている」

(C)Esther Lin/SHOWTIME
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 「ケイラブ・プラント戦は、早々と実現可能じゃないか。真剣な話、今年の後半にやれるように思う。長く望んできたし、機が熟したんじゃないかな。WBC暫定王座を手にしたら、障害が無くなるだろう。プラントはカネロとの再戦を希望しているし、その前に俺とやるのはいい選択だよな。

 5月21日のファイトは、昨年11月に続きアリゾナ州のリングに上がる。タイトルもかかっているし、前回以上にいい試合にしてみせるよ。地元であるアリゾナのファンに喜んでもらえるファイトにしたい」

 脇腹の贅肉が気になるが、ベナビデスはベストコンディションでリングに上がれるだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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