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双極性障害Ⅱ型は、うつ病に似ています。(見分け方など)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「双極性障害Ⅱ型は、うつ病に似ています」というテーマでお話したいと思います。

うつ症状を訴え、メンタルクリニックへ来る人の16%ぐらいが、双極性障害と言われています。そして、双極性障害の3分の1弱が、双極性障害のⅡ型と言われています。

双極性障害については、Ⅰ型の患者さんは、躁状態が激しいので、医師もじっくり話を聞けば、双極性障害だとわかるのですが、問題は双極性障害Ⅱ型の人です。Ⅱ型の人は、躁状態が激しくないので、本人も医師も双極性障害であることに気付かず、うつ治療をしてしまうことが多いです。これが問題なのです。

双極性障害の方は、うつ病の治療をしても回復には向かいません。むしろ悪くなってしまいます。そのあたりは、本当に注意していかなければなりません。

「うつ病か否か? 双極性障害か否か?」に関しては、医師のほうでしっかり見極めていただきたいと思うのですが、短い診察時間では、なかなか間違いゼロにすることは出来ず、よってこのあたりに関しては、患者さん、もしくは患者さんの周囲の人が、もっと賢くなって欲しいと思う次第です。

私の知っている精神科医が、患者さんに向かって、「主治医はあなたです。僕たちは、お手伝いをするだけです」と言ったことがあるのですが、その言葉は間違ってないと思います。
患者さんが、自分の主治医を信頼するのは大切なことですが、患者さんが自分の病気治療を主治医任せにしているのは感心しません。

私はご来室されたクライアントから、じっくり話を聞いたのちに、お薬を見せてもらうことがあるのですが、「不適切な薬を飲んでらっしゃるなあ」と思われるクライアントを見かけることは、実際少なくありません。

双極性障害Ⅱ型の方は、うつの時は、うつ病の方とそっくりな症状を示すのですが、躁になった時は、躁状態になったとは思わず、うつが良くなったと思うことが多いです。で、またしばらくするとうつになるのですが、その時はまた、うつになったと思うだけで、自分には躁とうつの波があるとは気付かないことが多いのです。

このあたり、うつと躁の波があることに関しては、医師が気付いてくれればいいのですが、短い診察時間では、必ずしも気付いてくれるとは限らない…、ということが多々あります。

私は、患者さん自身も、「自分が今、どのような薬を飲んでいるか?」しっかり知っておく必要があると思います。今ならネットでいくらでも調べることが出来ます。身体がしんどいという理由で、いつまで経っても、少しも調べようとしないのは、怠慢ではないかと思います。(辛口コメントでごめんなさい)

次に、ネットで、自分が飲んでいる薬のことを調べるのは好ましいことですが、自分の判断で、薬を飲むのを勝手にやめたり、医師に嘘をついて、飲んでもないのに「薬を飲んでいる」とは言わないほうがいいです。そんなことをしたら、何のために病院に通っているか、わからなくなってしまいますから…。

病気を治したいのであれば、医師の指示通り、お薬を飲み、その結果、「自分の症状がどのように変化したか?」正直に、医師に伝えれば、医師はまた考えてくれる筈です。

さて、うつ病とそっくりな双極性障害Ⅱ型の見分け方ですが、私が思うに、双極性障害の方は、うつ病の方に比べ、焦りの気持ちが強く、じっとしていられず、実際に行動的になることが多いように感じます。さらに、双極性障害の方は、哀しみの気持ちよりもイライラの気持ちになることのほうが多いと思います。そして、うつ病と違って、順調に回復していくのではなく、良くなったと思えば悪くなり、悪くなったと思えば良くなった、を繰り返したりします。

あなたが、うつ病の治療をずっと続けているのにも関わらず、なかなかうつ病が改善していかないのであれば、ひょっとするとあなたは、うつ病ではなく双極性障害のⅡ型かもしれません。今日、私が話したことに心当たりがある方は、そのことを正直に医師に伝え、薬を調整してもらうと良いかと思います。

医師の中には、非常にプライドが高く、自分の最初の見立てにこだわる人がいます。よって、医師があなたの話に全然耳を傾けてくれないような場合は、「転院もやむなし」かと私は思います。

ただし、そうは言っても、うつ病に関しても双極性障害に関してもそうですが、数週間で治るという簡単な病ではありません。よって、焦ることなく、ドクターショッピングすることなく、じっくり治療に取り組んで欲しいと思います。

また、心の病に関しては、薬だけで治そうとせず、自分でも睡眠や運動や食事に気をつけるなど、出来ることをしっかりとやっていって頂ければと思います。

くり返しになりますが、
心の病に関しては、主治医は自分なんだという気持ちは大切です。

うつ病がなかなか回復に向かわないと仰る方は、1度精神医学に詳しいカウンセラーの許を訪ねることをおススメいたします。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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