自衛隊の計画する長期運用型無人潜水艇UUVの役割
防衛省は大型の無人潜水艇の開発取得を計画しています。これまで機雷を探知したり処理する目的の小型の無人潜水機は保有してきましたが、それらとは一線を画する長期間の連続航行が可能な自律行動型の大型の無人潜水艇(UUV:無人水中航走体)となります。
平成30年度事前の事業評価より「長期運用型UUV技術の研究」
敵の艦隊などに対する常時継続的な警戒監視任務や味方の潜水艦の行動に必要な海水温や潮流などの海洋観測データ取得任務を目的として、様々な任務に対応するべくモジュールを交換できる構造になっています。そしてこの大型UUVの任務は上記だけではなく別の隠密任務も行うことが可能です。
PDF:防衛省資料「長期運用型UUVシステム構成要素の研究試作」
「脅威下での水中機器の隠密敷設」とは何か。この水中機器とは「機雷」を含んでいると推定できます。機雷ではなくデータ取得用のセンサーである可能性もありますが、能力的に機雷を敷設できると見做して構わないでしょう。敵脅威下での機雷敷設は危険な任務ですが単純な作業なので現状での無人潜水艇の自律行動能力でも十分に可能で、有人潜水艦の代わりに無人潜水艇で隠密敷設を実施できるならば有効な使い方に成り得ます。
現状での無人潜水艇の自律行動能力はまだ低く、複雑な行動が要求される敵艦隊や敵潜水艦への直接攻撃には不向きです。しかし機雷を敷設することで間接的に攻撃的な任務を行うことが可能です。
- 警戒監視
- 海洋観測
- 機器敷設
この3種類の任務が自衛隊の計画する長期運用型無人潜水艇の役割となります。