日本代表アマナキ・レレイ・マフィ、慣れ親しんだ地で母国と対戦。気持ちは?【ラグビー旬な一問一答】
ラグビー日本代表のアマナキ・レレイ・マフィが、母国トンガ代表との試合を前に「エモーショナルな気持ち」と話した。8月3日、大阪・東大阪市花園ラグビー場でのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)の2戦目で激突する。
マフィは身長189センチ、体重112キロの29歳でナンバーエイト。来日前は年代別のトンガ代表でプレーしていたが、2010年に関西大学Bリーグの花園大学入り後は目指していた同国正代表入りから遠ざかる。2014年にトップリーグのNTTコムでブレイクするや、日本代表からラブコールを受けた。トンガ代表から誘われたころには、心を日本代表に捧げていた。
1日、大阪府内でロックのヴィンピー・ファンデルヴァルトとともに共同取材に臨む(マフィは日本語で、ファンデルヴァルトは英語で応対)。キャプテンでフランカーのリーチマイケルによる講話などにも触れた。
以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。
――リーチ マイケルキャプテンが、トンガ出身で元日本代表のシナリ・ラトゥ氏が母国代表との対戦で活躍した話をされているようです。聞いた感想は。
ファンデルヴァルト
「ああいう日本ラグビーの歴史、背景を聞くことが自分の原動力、モチベーションになります。全身全霊で戦う気持ちは強くなりました」
マフィ
「ありがたいですよね。その人たちが最初に日本に来て、チャンスが生まれて。やっぱりシナリのことは誰でも知っています。ノフォムリ(・タウモエフォラウ。1980年に来日した日本初のトンガ人留学生選手)もです。この人たちが自分のなかでもレジェンド。ありがたいです。彼らがいいプレーを日本に見せたから、そこから日本に僕も、ヴィンピーもそうやし、トンガ人だけじゃなくフィジー人もサモア人も(来るようになった)」
――ファンデルヴァルトさんは近隣のNTTドコモでプレーしています。大阪でプレーする思いは。
ファンデルヴァルト
「ホームの大阪でプレーできるのをありがたく思っています。チーム内で定位置争いが激しくなっているので、しっかりとしたパフォーマンスでアピールしたいです。
(滞在先は)家から20分の場所です。行きつけの店で飯を食えます」
マフィ
「私は4年、関西でプレーできて、関西弁も勉強して。本当に嬉しいです。久々に関西の試合があって、モチベーションも高い。もともと自分が好きだった場所で、やるしかないです。アピールします。
久々に家族と会った。僕の嫁さんも京都出身なので、昨日もご飯に行ったし、友達にも会った。ここに帰ってきて色んな人と会って、ラグビーじゃないところも楽しんでいます」
――見せたいプレーは。
ファンデルヴァルト
「トンガ代表のフォワードは大きい。順目、順目に攻撃してくるところをディフェンスで止めて、チームの仲間たちを助けたいです」
マフィ
「私は日本でプレーして強くなりました。この前の試合も勝ったし、同じように勝ちに行きたいと思います。いつも通り、フィジカルで負けないように。よくヴィンピーも俺の事を知ってるし。トンガ代表、強いからね」
――母国のトンガ代表との対戦は特別な気持ちはあるのでは。
マフィ
「小さい頃からトンガにいて、もともと『いつ代表になるか』という話もあって、自分も『なりたい』って。でも、逆に日本代表でプレーできて、良かったと思います。やはり特別というか、エモーショナルな気持ち。それをコントロールして、試合の日に、本当に…魅せたいと思います」
――警戒する選手は。
ファンデルヴァルト
「ロックのシティベニ・マフィはボールキャリーも強くディフェンスも強烈」
マフィ
「トンガは小さい国なので皆、知り合い。ロックのレバ・フィフィタ選手、凄いと思う。もともと大阪産業大学に来て、いま、フランスかな? 彼が凄いいいプレーヤーで、自分と同じU20(20歳以下)トンガ代表でよく知っていますし、彼の強さを止めたいと思います。あとはクーパ・ブーナも(父方の)従兄弟やし。(ファンデルヴァルト見て)倒しに行くわ!」
マフィは2015年のワールドカップイングランド大会で活躍し、以後はスーパーラグビーのレベルズなど各国のクラブともサイン。日本で成り上がった選手と言える。「エモーショナルな気持ち」を「コントロール」し、クールかつタフに戦いたい。