台湾人の半数近くは女性の兵役に賛成。学校の性的イジメは深刻
中国の軍事的な脅威にさらされる台湾で、女性の兵役参加に半数近くの人が賛同しているという世論調査の結果が出た。ただ、反対意見も4割を超えており、世論はほぼ二分されている。
女性も兵役に服すべき?
調査は、男女平等教育に対する認識をテーマに、台湾の財団法人「黄昆輝教授教育基金会」が行なった。調査の対象は20歳以上の1069人、期間は8月20日から23日。今月9日、同会が結果を発表した。
男女平等の立場から「女性も兵役に服すべき」という考えについて、賛成は47.8パーセント、反対は41.8パーセントだった。半数近くが賛成していると同時に、反対派も4割を超えている。賛否は拮抗していると言えそうだ。
男女別に見ると、賛成派は男性に多かった。賛成は男性の54.9パーセントに上ったが、女性は41.0パーセントに留まった。
現在、台湾では男性のみに兵役義務が課されている。中国の脅威が高まる中で、現行の4か月の兵役期間は来年から1年に延長されるが、女性の兵役参加が喫緊の課題とみなされているわけではない。
学校での性的イジメの原因は?
一方、台湾では政界や芸能界で相次いで性暴力被害が明らかになり、台湾版#Me Tooとも言うべき事象が起きている。それに伴う形で、学校でも横行している性的なイジメやセクハラ、性暴力の問題が注目を集めている。今回の調査でもその風潮が反映された。
学校での性的イジメやセクハラの現状に対し、調査対象者の53.2パーセントが「深刻」と回答、「学校が性的イジメやセクハラを受けないような安全な環境を提供し学生を保護できる」かどうかについては、55.4パーセントが「確信が持てない」と回答した。なかなか厳しい評価が下されたと言えそうだ。
また、学校で性的イジメやセクハラが起きる原因を、「ポルノサイトが助長している」と考える人は85.4パーセント、「傍観者が無関心で摘発しないから」と考える人は76.7パーセント、「男女平等教育の不全」と考える人は63.1パーセントに上った。これらの認識について明確な男女差はなかった。