3つの統一ウエルター級タイトルマッチを比較して
7月29日にラスベガス、T-モバイル・アリーナで雌雄を決するWBA/WBC/IBFウエルター級チャンピオンのエロール・スペンス・ジュニアと、WBO同級王者のテレンス・クロフォードが、LAに続き、NYでも記者会見に出席した。
スペンスは語った。
「これはボクシング界最大の試合だ。俺たち2人のスタイルとメンタルを知れば、どちらも壊したくないという気持ちになる。が、試合当日は片方が破壊されそうな気がする。
自分が<ウエルター級最強>を証明する準備はできているので、この試合をお見逃しなく。なぜ私が人を壊すのか、その理由を皆さんに示すつもりだ。自分はこれまでに"やる"と言ったことはすべて成し遂げた。あとはテレンス・クロフォードを倒すだけだ。彼は偉大なファイターだがKOしてみせる。俺がボクシング界で最高のファイターであることを見せてやる。
リスクを冒すことで報われることがあるのだと、他のファイターたちに教えねばならない。ベストはベストと戦うべきなんだ」
クロフォードも話した。
「この戦いへの思いを、ずっと温めてきました。私はこのファイトのために生涯をかけて準備してきたのです。このような瞬間は滅多に訪れません。
7月29日、あなたは『テレンス・クロフォードは特別だ』と言うことになるでしょう。私は"史上最強の男"の1人に数えられるのです。自分は、不利な状況に立ち向かってきたエロールのファンですが、これはビジネス。私は彼を倒す。何度もイメージしていますよ。
私は釣りが好きなんです。それが趣味であることは誰もが御存知ですね。獲物は一匹残らず釣り上げました。エロールのために、十分な大きさの釣り針を用意しましたよ。実はもう釣っていて、今、巻き上げているところです。
<統一王者>は自分にとって、すべてを意味します。 7月29日は今まで目にしたことのない テレンス・クロフォードをお見せできるでしょう。エロールは私の新たな能力を引き出すかもしれません」
2023年に催される今回の4冠統一ウエルター級タイトルマッチは、WBA/WBC/IBFチャンピオンが33歳、WBO王者は35歳。
1981年6月16日に行われたWBA/WBC同級統一戦は、32戦全勝30KOだったトーマス・ハーンズが22歳、30勝(21KO)1敗だったWBC王者のシュガー・レイ・レナードが25歳。
1999年9月18日にセットされたWBC/IBF同級統一戦、オスカー・デラホーヤvs.フェリックス・トリニダードは両者共に26歳だった。
運動生理学や栄養学の発達に伴い、近年アスリート寿命が延びている。スペンスもクロフォードも、22歳ではまだ自身のボクシングを完成させるには至らなかったと言えそうだ。
さて、7月29日は、過去のメガ・ファイトを凌駕する激闘となるだろうか。