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【JAZZ】雲井雅人&須川展也 ジョイント・コンサート@ヤマハホール

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
雲井雅人&須川展也 ジョイント・コンサート
雲井雅人&須川展也 ジョイント・コンサート

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、雲井雅人と須川展也のジョイント・コンサート。

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1957年生まれの雲井雅人(くもい・まさと)と1961年生まれの須川展也(すがわ・のぶや)という、日本を代表するサクソフォン奏者の2人による初のジョイント・コンサートだ。

雲井雅人と須川展也はそれぞれがソリストとして最前線で活躍するトップ・プレイヤーであると同時に、サクソフォンだけのユニットを組んで活動しているという共通点がある。雲井雅人サックス四重奏団は1996年から、須川のトルヴェール・クヮルテットは1987年からと、いずれも日本のサックス・サウンド、そしてアンサンブルを変革し続ける意欲的なユニットとしての足跡を残している。

世界のサックス・シーンを牽引する両巨頭の初ジョイント

すでに“吹奏楽の裾野の広がり”はブームの範疇に収まらず、日本の音楽シーンに根付いた“文化”と呼べるものになって久しい。

ボクが足を運ぶ管楽器によるユニットのライヴでもほぼ例外なく会場には楽器ケースを携えた観客が詰め掛け、ステージに熱い視線を送るという光景が繰り広げられている。

こうした視線の先でひときわ羨望の眼差しを浴びているのが雲井雅人と須川展也というわけなのだ。

名手たちが施す名曲のサックス的解釈は如何に?

今回のジョイントでは、まずピアニストをバックにその羨望の眼差しを浴びる2人がソロやデュオで余すところなくサキソフォンという楽器の魅力を披露する予定だ。ビルトゥオーソの彼らがデュオという“会話”をどのように表現するのかは見逃せない。

さらに後半は、須川展也が2013年に立ち上げた新たな編成のサックス・バンドを加えたステージ。厚みを増したサックスによるオーケストラ・サウンドを堪能できるプログラムになっている。

上演予定の曲目は、ジャン=バティスト・サンジュレー「ソプラノ・サクソフォーン、アルト・サクソフォーンおよびピアノのための協奏的二重奏曲」、フローラン・シュミット「独奏楽器と管弦楽のための《伝説》」、エドヴァルド・グリーグ『抒情小曲集』第10集より第4曲「森の静けさ」、アントニオ・ヴィヴァルディ「2つのトランペットのための協奏曲 ハ長調」(編曲:須川展也)、マイケル・ブレッカー「ノット・エチオピア」(編曲:挾間美帆)、ジョセフ・カントループ「オーヴェルニュの歌 第1章」(編曲:伊藤康英)などが挙がっている。

このなかで「おっ!」と反応してしまったのが、「ノット・エチオピア」だ。1980年、第1期ブレッカー・ブラザーズの有終の美を飾るアルバム『ストラップハンギン』に収録されたこの曲は、ブレッカー・ブラザーズの後にマイケル・ブレッカーが参加したステップスでも演奏され、マイケルの濃厚コッテリなソロが記録されている。これを“ジャズ作曲家”の挾間美帆が編曲し、サクソフォンの名手たちに委ねてしまおうというのだから、なにが起こるのやら興味津々だ。

では、行ってきます!

●公演概要

2月15日(日) 開場13:30/開演14:00

会場:ヤマハホール(銀座)

出演:雲井雅人(サクソフォン)、須川展也(サクソフォン)、小柳美奈子(ピアノ)、仲地朋子(ピアノ)、須川展也サックス・バンド:上野耕平、田島沙彩、竹田歌穂、川島亜子、戸村愛美、中嶋紗也、都築惇、塩塚純、宮越悠貴、田中奏一朗

♪雲井雅人サックス四重奏団 マウンテンロード 終章人はみな死すべきもの

♪Spain トルヴェールカルテット with 本多俊之

♪Not Ethiopia

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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