2階級王者 京口紘人 独占インタビュー「勝ち続けて統一戦がやりたい」
6月19日幕張メッセで、WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(25=ワタナベジム)が、元ムエタイ王者でWBAライトフライ級12位のタナワット・ナコーン(26=タイ)を迎え、初防衛戦を行う。
初防衛戦に挑む京口に話を聞いた。
フイリピンでの武者修行
ーーーフィリピンは、どのくらい行っていましたか?
京口:今回は1週間ですね。
ーーーなぜフィリピンに行ったんですか?
京口:海外で、環境を変えて練習したかったからです。特にフィリピンは、ハングリーで、強い選手も多いので。
ーーー海外でのトレーニングはどうでしたか?
京口:とても良かったです。スパーリングなど、慣れない環境の中で、しっかりやり切れたことが、自信になりました。
ーーー世界王者クラスの選手ともスパーリングをしましたか?
京口:バンタム級の選手とはやりました。あと、フィリピンの国内チャンピオンなどです。
ーーーフィリピンは、パンチが強い選手が多いですよね。
京口:そうですね。パワーもありますし、スタミナもあります。
ーーー日本より、ボクシングに対する熱も高いですし。
京口:すごく高いです。ボクシングが、リスペクトされる職業なんです。ジムでトレーニングしている選手達も、みんな目がギラついていました。
ーーーハングリーなんですね。
京口:はい。ボクシングで成り上がろうという気持ちが、全面的に見えたので、そういう姿勢が、勉強になりました。
ーーーパッキャオ熱も高いですか?
京口:パッキャオもそうですし、ドネアも、ニエテスも、アンカハスもそうです。
世界的に活躍する選手が増えてきている事が、国内のボクサー達に、良い刺激を与えていると感じました。
ーーー今後も、海外のトレーニングを取り入れていきますか?
京口:そうですね。今後は、海外キャンプなども行いたいと思っています。
階級を上げてからの変化
ーーー今回は初防衛戦ですね。ライトフライ級に上げて、変化はありましたか?
京口:以前に比べ、パワーやスタミナが付いてきました。
ミニマム級の時は、減量の影響が出てしまう事もありましたが、ライトフライ級は、自分のパフォーマンスを発揮できる、適正階級だと感じています。
ーーー前回は年末でしたが、2階級制覇をして、周りの反応はどうでしたか?
京口:すごく良い内容で勝てたので、ボクシングファンの評価も上がったようです。
ーーー今回の相手は、無敗で、ムエタイ200戦以上の猛者。しかも、サウスポーの選手ですね。
京口:はい。ムエタイのキャリアがある選手なので、戦ってみて感じる、やりにくさがあると思います。
でも、しっかりコンディションを持っていければ、完勝できる相手です。
ーーー僕も、何試合か見させてもらいましたが、バランスがいい選手ですね。
京口:そうですね。入り際に右フックを合わせてくるのは、少し警戒していますが、
それ以外で劣っている部分は本当にないので、ワンサイドになるかなと思っています。
ーーーでは、自分のコンディション次第ということですね。
京口:そうですね。しっかり調整していきたいです。
サウスポーとの対戦
ーーーこれまで、サウスポーとの対戦経験はどのくらいですか?
京口:プロになってから、3試合ぐらいですかね。
ーーー結構やっていますね。
京口:はい。1回は判定ですけど、それ以外はKOしています。
今回の相手も、かみ合わせは、悪くないと思うので、そこまでサウスポーだからというのはありません。
ーーーサウスポーは、レバー(肝臓)が前に出ていますよね。京口選手は左ボディが非常に強いので、それがポイントになると思うのですが。
京口:そうですね。それがきっかけで、他のパンチも当たると思うので、左ボディは毎試合、鍵になると思っています。
相手も警戒してくると思うので、そこで、しっかり当てられるような展開に、持っていきたいです。
ーーー調整で、意識することはありますか?
京口:前回と変わらず、自分のボクシングスタイルの底上げです。
新しいトレーニング
ーーー今回の試合に向けて、何か、新しいトレーニングは取り入れましたか?
京口:今回は、プールトレーニングを週1で取り入れています。体にも、少しずつ変化が出ています。
ーーープールトレーニングというのは、どのようなトレーニングなんですか?
京口:心肺機能の向上や呼吸法のやり方、あとは可動域を広げたり、上半身を柔らかくします。
パドリングで、バランスの意識などの細かい作業です。
重たいものを持つというよりも、体の使い方やバランスを意識したトレーニングが、一番主かなと思います。
ーーー取り入れたきっかけは何ですか?
京口:去年、長渕剛さんの息子、航君と知り合って、彼に勧められました。
アーティストとプロサーファーとしての顔もある彼から「プールトレーニングもやってんねんけど、一緒にやらへんか?」と誘われたのがきっかけです。
ーーー今回、サウスポーのスパーリングパートナーなどを呼んだりしていますか?
京口:ジム内にサウスポーの選手が多いので、呼んではいないです。
ーーーでは、ジム内の選手と調整していく感じですか。
京口:そうです。
ーーーフィリピンでの、スパーリングパートナーは?
京口:全員がサウスポーでした。
ーーー全員ですか。あちらはサウスポーが多いんですか?
京口:サウスポーのほうが多いぐらいです。
試合のテーマについて
ーーー今回は、2階級制覇での初防衛戦になりますが、何か試合のテーマや思いはありますか?
京口:テーマは、「圧倒する」です。今回は無敗の選手ですが、ボクシングの実績でいうと自分とはキャリアの濃さが違います。
そういった相手に圧倒できる力の差を出す、と思って取り組んでます。
ーーーでは、いつもどおりということですね。
京口:そうですね。いつもどおりです。初防衛は、前回のミニマム級でも経験していることなので、鬼門と言われていますけど、特別意識してないです。
ーーー初防衛戦よりもっと上を見ている、ということですね。
京口:はい。
ーーーゴールは?
京口:今の段階では、明確に出していません。
ーーーまだ26歳ですよね。
京口:はい。今できることは、長期防衛と統一戦など、そういった名前のある選手と試合して、勝ち続けることです。
京口の試合の模様は、6/19に動画配信サービスParaviでLIVE配信する。